院長の第二の人生のために、今から「引き継ぎたい」と思ってもらえる医院をつくりましょう。
歯科医師を開業して22年、年齢56歳での院長のお話しです。

この院長は、ユメオカ主催の『予防型歯科医院の承継セミナー』に参加されました
院長だったご自身の父親を見てきたこともあり、出口戦略については
「父親が75歳ぐらいまで歯科医師をして引退したので、自分も同じように75歳ぐらいまで歯科医師をやりながら院長を引退かな…」
と、お考えのようでした。
しかしセミナーが終わり、「参加して一番の気づきは何でしたか?」ということをお聞きすると、
「経営者で院長である自分と、歯科医師としての自分。この2つを分けて出口を作っていっていいんだ」
「これらを分けて出口作ったら、これからもっと面白い人生、第二の人生が待ってるんじゃないか」
とのお答えをいただきました。
その後、ユメオカでは院長の話を詳しく聞きながら、今後、承継に向けて具体的にどういったことに取り組んでいけばいいのかを整理しました。
その結果、院長は「65歳で医院経営を引退して、75歳まで歯科医師は続けよう」と、出口戦略について明確に考えるようになりました。
これまで「75歳ぐらいまでは歯科医師をやりながら院長を引退するのかな」と考えていた院長にとって、新鮮な着眼点でした。
この院長は現在56歳ですから、65歳で院長を引退するまで、あと9年ということになります。
院長を引退するなら、第三者承継をしていくかどうかが重要ですね。
この院長は身内に歯科医師の方がいらっしゃらないので、第三者承継について考えてはいらっしゃいました。
しかしあと9年という具体的な残り時間を意識することで、「引き継ぎたいなと思えるような医院を作らなくては」と強く実感しました。
予防型歯科医院としての価値をさらに高めていくのが医院としての今後の目標となります。
「引き継ぎたいな」と思ってもらえる医院にするには

医院を第三者承継するために具体的にどんなことをすべきでしょうか。
ユメオカのセミナーでもポイントとなりましたが、やはり1つ目はリコール数を今よりさらに伸ばすことです。
そして2つ目が、院長以外の自費をしっかりと増やしていくことです。
今回の医院では院長の自費割合が多いのですが、院長の自費が多いと院長がいなくなった場合、その分の売り上げが減ってしまいます。
これでは承継時に評価されないということもありますので、院長以外の自費を増やしていくことが大切です。
3つめは、スタッフ主体の医院をつくっていく。
4つめが、DXですね、デジタル・トランスフォーメーションを進めていく。
この4つがポイントとなります。
もう少し具体的にお話します。
この医院のリコール来院者の割合は、現状で約30%です。
院長は「現状3人に1人がリコールで来院されていますが、2人に1人くらいはリコールで来院されるような医院にしたい」「リコール数が多いので、物販にも力を入れる」と仰っていました。
自費率は現状が約65%とかなり高いです。
内訳は自費を100だとして、その中の約50%が矯正、約30%が補綴とインプラント。約20%が自費のメンテナンスということでした。
自費のメンテナンスが20%あるので、患者さんからも来院者の方からも非常に信頼されているということが読み取れます。
しかし、院長が主体となっている矯正が約50%と大きな割合です。
院長が不在になると第三者求承継の際に評価されなくなってしまうので、約30%の補綴インプラントと約20%である自費メンテナンスの実現を決意されました。
また、インビザラインなども進めていきたいと仰っていました。
今後は補綴インプラントと自費メンテナンスの割合を分けて、しっかりと数値管理します。
PLAN・DO・SEE(計画・実行・効果を確認しながら進めていくこと)の仕組みを作っていきたいと仰っていました。
そのためにも、ユメオカで提示している4バランスの管理を活用するとのことです。
3つめのスタッフ主体の医院に関しては、院長が主体の医院のままでは院長に負担がかかりますし、第三者承継にも響きます。
スタッフがいつまでも院長にお伺いを立てないと動けない医院ではなく、スタッフ同士で考えて動ける医院にしていくことが大切です。
スタッフそれぞれに役割を与えて、それぞれのコミュニケーション力を高めていくことによってより良いチームとなり、よりよい医院となっていきます。
4つ目のDX化ですが、この医院では、患者さんの口腔内写真などの画像と、予約で撮った患者さんのデータが紐付けられていません。
例えば山田太郎さんという患者さん対して、予約日時と山田太郎さんの画像がリンクしていません。
それぞれ別のシステムで管理されているので、山田太郎さんの予約日時を確認した後にもう一回、画像のシステムで検索して確認しないといけないのです。
これでは非常に手間もかかりますので、一元管理して、使いやすいシステムをつくっていかないと引き継ぐ人はやりづらいですね。
まとめると、
・リコールをさらに増やす
・院長以外の自費である、補綴インプラント・自費メンテナンスを増やしていく
・インビザなどを進めていきたい
・そのためにユメオカで定時している4バランスの管理
・PLAN・DO・SEEの管理
・スタッフそれぞれに役割を与える、それぞれのコミュニケーション力を高めていくことで良いチームとなる
この院長の場合は、約9年後に医院の承継を考えています。
それまでに医院として今後どう取り組むかが明確になりました。
まとめ

相談された後、この院長は
「65歳以降には歯科医師をしながらコーチもやっていきたい。若手の院長たちのサポートをしていきたいという夢がある」
「院長を引退して歯科医師は続けて、コーチとしてサポートしていきたい。具体的に考えるとすごく楽しい、ワクワクする」
「そう考えると院長としての出口はもっと早く、65歳じゃなくて62歳くらいでもいいのかもしれない」
と、ご自身の院長引退後の夢から計算し、引退時期を前倒しにされました。
最後に院長は
「院長を引退するまでに、やることがより明確になった」
「力が湧いてきた」
「次の夢に向かって頑張っていきたい」
と仰っていました。
それまで、院長はご自身の父親を見て「なんとなく75歳ぐらいで引退するのかな」と思っていました。
けれど明確な夢ができて、出口戦略についても院長と歯科医師の出口を分けて考えることによって今後取り組むことがわかり、力が湧いてきました。
こういった事例を受けて、私から院長の皆さんにお伝えしたいのは
これからのハッピーリタイアの形いうのは、院長によって様々な形があるということです。
75歳80歳まで歯科医師をするといっても、週3日や週2日…体力とともに働く日数は少なくなっていくと思います。
そして、歯科医師プラス他のことをやりたいという方は沢山いらっしゃると思います。
例えば農業をやりたい・お店をやりたい…いろいろあると思います。
やりたい事をするためにも、まずはライフプランをしっかりと作りましょう。
やりたい事から逆算することで、院長、そして歯科医師としての出口をいつぐらいに設定すればいいのかが明確になってきます。
ライフプランを作ることが、院長の将来にとって非常に重要になると私は感じています。
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