福利厚生にお金をかけなくても、 スタッフ定着率が高い医院の考え方

「医院で海外旅行にいった」「高級ホテルで10周年パーティを行った」このように他院の話を聞くと、院長は「うちの医院ももっと利益がでれば、そうしてあげたいけどな」と思うことがあるのではないでしょうか。

しかし、スタッフを大切にすることイコール「海外旅行に行く、高級ホテルで食事」ではありません。

また、院長の軸が細いとそういう表面的なイベントに心が揺れてしまいます。

ここではスタッフを大切にする院長が、他院のSNS写真にいちいち心がざわつくことなく、自分自身の太い軸を持つ方法をお伝えします。

Contents

1 高級ホテルで懇親会を行う医院になりたい?

「あそこの医院は、よくスタッフを集めて高級ホテルで懇親会を行っている」「あの医院は、常にスタッフ数に余裕を持っていて、緊急でスタッフが休む場合も診療に影響がでないようにしている」こんな話を聞くと『たくさん利益が出ているからこそ福利厚生も充実できるのだろうな~』と思ったりします。

しかし、実際そうなのでしょうか?

医院はどのステージになっても、お金が余ることは決してありません。

必ず先行して新しい投資が必要になってくるからです。

では、なぜお金が余っていない医院に冒頭のようなことができるのか?

それは、経営者である院長がお金の使い方に「メリハリ」を付けているためです。

「お金の使い方のメリハリ」とはつまり、「何にお金をかけて、何に極力かけないようにするか」という判断軸をしっかり持っているということです。

経営していくには、スタッフ教育、設備、給料、広告・・・と果てしなくかかる経費があります。

もちろん何一つ無駄金ではありません。

しかし、この経費にメリハリを付けているのです。

それが医院の特徴を醸し出すことにつながります。

例えば「スタッフに余裕を持たせて運営している医院」は、小さな子供を育てながら働く母親スタッフにとっては、とても働きやすい医院となります。

その結果、スタッフの定着率が非常に高くなり、採用費を極力抑えることにつながります。

反対に、医院の内装には極力お金をかけずに作ったりして、メリハリをつけています。

このように、何を医院の特徴とするのか? その理由は何か? という判断軸をしっかり持っていることで、抑えるべきところと使うべきところの“勇気”が持てるわけです。

一方で、他人に影響されやすい人は、「院長は教育にこそ、もっともお金をかけるべきだ」という持論を聞かされれば教育投資に過剰になるし、「内装をきれいにしないと若い方は来院されない」という自説を聞かされると、それなら・・・といって、内装にお金をかけてしまいがちです。

そのようなことが続けば、当然、行詰まることは目に見えていますし、その前に医院の特徴がなくなり、ある時から一気に患者数が減ってしまうことでしょう。

あらゆる医院にとってお金は有限、何に使うか決めることが重要

すべての経費に十分お金が使えるのであれば、そんな楽なことはありませんが。

それなら、誰でも経営できますし、現実にはそんな医院は1つもありません。

中途半端に万遍なく経費をかけていけば特徴も出てこないでしょう。

経営者のお金の使い方、メリハリは結局、医院のミッションやビジョンに導かれるものです。

「誰が何と言ってもこれをやり遂げるんだ」という強烈なものがあれば、自然と経費にメリハリを持たせざるを得なくなると言えるでしょう。

他医院の動向にブレているか、ブレていないかは、院長のお金の使い方に表れているとも言えます。

あなたがもっともお金をかけたい経費は何ですか?

また、その理由は何ですか?

1アクション
院長はスタッフのために何に一番お金を使いたいかを決める

この内容を動画(約2分)で詳しく説明しています。


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ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。 ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。 2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。 そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。 また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。 座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。