昇給には上限を!それでもスタッフが自立的に成長する給与制度があります

歯科診療室
毎年の昇給は院長にとって頭が痛い悩みです。

「頑張っているスタッフに昇給をしてあげたいが、医院利益を圧迫しないか」「このまま昇給が続くと、医院の人件費はどこまで膨れ上がるだろうか」といった漠然とした不安が生じるためです。

そこで、このような悩みに毎年、頭を痛めずにスタッフも自立的に成長できる給与制度の考え方と方法をお伝えします。

毎年4月、昇給で頭が痛い院長は昇給ステージ表をつくりましょう

毎年4月になると昇給の季節になり、院長にとっては頭が痛い時期になります。

「頑張っているスタッフに報いてあげたい一方、昇給が当たり前になると人件費率がどんどん高まっていく」という葛藤が生じるためです。

そして「給与は毎年上がる」という漠然とした既成事実が、院長を悩ませることになります。

そこで提案は、昇給は上限があることをスタッフに明示します。

ただ「昇給は上限がある」だけでは、やる気がなくなる可能性もあるため、役職(リーダーなど)が上がればさらに昇給もあるようにします。

逆に言えば役職などのステージが変わらなければ、昇給はストップするのです。

そして【仕事ステージと昇給】という各ステージにおける給与の幅について定義します。このような昇給ステージ表を作成します。

例えば昇給ステージ表は4つ(新人、一人前、リーダー、看板DH)のステージに分け、各ステージの給与の幅を「初任給  ~  24万」「24  ~  26万円」というように明確にします。

ステージが上がれば手当などによってそのステージの最低給与も上がりますが、昇給上限額も上がります。

そして同一ステージ内での昇給幅は、毎年2,000円~5,000円というようにルール化しています。

このようにしておくことで、各ステージの昇給上限と昇給には上限があることが明確にスタッフに伝わります。

このようにすれば院長の毎年の悩みも減り、院内の活気も失われることなく医院成長につながります。

昇給表

院長が安心して昇給ステージ表をスタッフと共有するための補足です

そして、この昇給ステージ表をつくった院長に相談を受けました。

「このステージ表をスタッフに渡してしまっても大丈夫でしょうか? または就業規則に挟むぐらいにして、いつでも見られるようにしておくか? いかがでしょう」というようにです。

その真意を尋ねると「この昇給ステージ表は今後、変更があるかもしれない」とのことでした。

そして私は「どういう条件がそろわないとこの基準を守れなくなるか?」を尋ね整理しました。すると

・1日の患者数平均が50人以上であること
・保険制度の変更によって歯周病、SPT(Ⅱ)など
・当院に関連する点数に大幅な減点がないこと

以上が条件であることが判明しました。

そこで「上記の2つを昇給ステージ表に付記し、その上で

【(※)基本、1年に1回は見直しがあります】も付け加えておけばいかがでしょうか?」と私は提案しました。

院長の答えは「それであれば変更が必要な時も安心できます」でした。

人事、特に給与、賞与や昇給に関する取り決めは、冒頭のように「頑張っているスタッフに報いたい」という一方、様々な環境変化によってそれが維持できなくなった場合のリスクが頭に浮かびます。

そのため、このように見直しを前提とした制度であることをスタッフに先に説明しておくことが重要です。

そして「先に説明」があれば、安心して頑張りに見合った昇給に踏み切れるはずです。

1アクション
昇給ステージと昇給幅を決める

この内容を動画(約2分)で詳しく説明しています。

関連記事

勤務医のやる気を引き出す! 歩合給か固定給か?

 

 


▶1エリア1医院のみ、他医院の実践情報を共有する


 



▶「4バランス・医院収支・脱院長依存」など経営教材


 


ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。