広島県にある歯科医院でのお話です。
現在勤務している32歳のDrは、今後2年以内に自身の医院を開業することを目指しています。
ある日、このDrとの面談で、以下のような場面がありました。
私「新規開業か承継開業、どちらを希望されていますか?」
Dr「居抜きもいいなと考えています」
私「居抜きというと、新規開業ということですか?」
Dr「いえ、居抜きで承継ですね」
この時、私は彼の話にピンと来なかったのですが、のちに、彼は居抜きと承継の違いについて十分に理解していなかったことが明らかになりました。
居抜きと承継の違いを教わる機会はなかなかないので、無理もありません。
そこで今回は、
- 居抜きと承継の違い
- それぞれのメリットやデメリット
- 承継開業が増加している理由
これら3つを解説いたします。
居抜きと承継の違い

まずは、それぞれの定義を解説いたします。
居抜きとは
医院の設備や重機、備品、家具などが付いたままで売買、または賃代借されることを指します。
承継とは
明確な定義はありませんが、事業承継とは、事業の運営や会社の経営を後継者へと移行し、その経営を継続させることを指します。
個人事業主の場合、事業を譲渡することでその運営を引き渡します。
上記が居抜きと承継の定義です。
多くの場合は会社の株式を譲渡することで、会社を丸ごと引き渡します。
居抜きと承継それぞれのメリット・デメリット

新たに歯科医院を開業するには、居抜きと承継のどちらがよいのでしょうか。
ここではそれぞれのメリットとデメリットを確認しましょう。
居抜きのメリット
- すでにある設備を利用することで、初期コストを抑えて開業できる
- 早期に診療を開始できる
居抜きのデメリット
設備の状態や立地による問題が発生する可能性がある
承継のメリット
- 医院だけでなく患者さんも引き渡されるため、初月からの売り上げが確保できる
- 安心した返済計画の立案が可能(返済の不安がない)
- スタッフが揃っているので、新たな採用は不要
- 歯科衛生士の数が増えることで、リコールや自費の増加が見込まれる。
- 上記により、自費に注力することができ売上がさらに増加する可能性がある。
承継のデメリット
- 院長の信頼で成り立っている部分があるので、新しい院長に変わったら物事がスムーズにいかない可能性がある
- 実費の中でも特に難しい症例のものは引き継ぎができない
- 患者さんやスタッフに問題を抱えている場合はその問題も引き継ぐので、対応が求められる
以上が居抜きと承継それぞれのメリット・デメリットとなります。
承継開業が増えている理由

近頃、承継を通じた開業が増加している背景にはいくつかの理由があります。
主な理由として、次の三つが挙げられます。
- 新築コストが高騰している
特に建物に関するコストが著しく高騰しています。
コロナ禍以前の2020年以前と比較して、2024年の建物建設費は約1.5倍まで増加しています。
例えば、以前は約5000万円で建設可能だった歯科医院の建物が、今では約7500万円のコストがかかります。
土地代と合わせた場合、1億円台を超えるケースもあります。
- M&Aに対するイメージの変化
かつてM&Aは、「乗っ取り」というようなネガティブな印象を持たれがちでした。
しかし現在ではM&Aや事業承継が広く一般化し、よりポジティブなイメージへと変化しています。
このような認識の変化が背景にあり、承継による開業を望まれる方も増加しています。
- 予防型歯科医院の増加
予防型歯科医院が増加しているということは、同じ理念を持つ先生であれば歯科医院を非常にスムーズに引き継ぎやすいということでもあります。
このような理由が、承継を通じて開業する若い歯科医師の増加につながっています。
承継開業に関する今後の傾向

承継開業する人の割合は、今後さらに加速していくだろうと思われます。
理由は以下の2つです。
- 近頃の歯科界は予防の時代
近頃の歯科界は、予防に重点を置く時代へと移行しています。
さらに、予防型歯科医院はスタッフが揃っていれば比較的安定した経営が可能です。
このため、医院承継は開業を考える歯科医師にとって魅力的な選択肢として定着しやすくなっています。 - 院長の高齢化
2020年の時点で、日本国内の歯科医院の院長の約60%以上が50歳以上であるという状況があります。
この傾向から、10年後には後継者が身内にいないために第三者による承継を検討する院長が増えることが予想されます。
そのため、歯科医院の承継開業はさらに増えると予想できます。
承継開業を進める上での注意点

弊社では、承継開業にあたり重要なのは信頼できるパートナーを見つけることだと考えています。
信頼できるパートナーというのは、以下の条件を満たす方です。
- 歯科医院の承継に関して豊富な相談経験を持つ人
- 予防型歯科医院について深い知識と理解を有する人
適切なパートナーがいない場合、見当違いな相手先とのマッチングや予防型歯科医院の価値を正しく評価できないという問題が生じる可能性があります。
そのため、信頼できるパートナーやM&A中介会社を見つけることが、承継開業においては極めて重要です。
まとめ
開業を検討している先生方には今後、承継開業を選択肢の一つとして検討することをお勧めします。
もちろん、新規開業にはそれぞれのメリットとデメリットがあります。
重要なのは、どちらの方法が自身の状況や目指すビジョンに最適かを慎重に比較し、適切な選択をすることです。
1アクション
新規開業に際し、居抜きと承継開業のどちらが自身の状況や描くビジョンに最適化を比較する
承継無料相談
弊社は予防型歯科医院の運営に関する豊富な経験を持ち、多くの承継相談やM&Aに関する業務を手掛けています。
- 新規で開業するか、既存の医院を承継して開業するかの選択に迷っている
- 承継による開業の具体例やそのメリットを詳しく知りたい
- 予防型歯科医院の発展における承継の役割を理解したい
これらに関する相談を随時、承っております。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
承継LINEアカウント登録
ユメオカの公式LINEアカウントに友達登録いただきますと、歯科承継の疑問に短く答えたり、最新事例を配信します。
また公式LINEアカウントから相談でもできるため、承継が気になりはじめた院長は“いざ”という時のためご登録をお願いします。
登録特典としてまして、ユメオカ式 予防管理型歯科医院【承継】のオキテ(PDF形式64P と動画解説)をご提供致します。
関連記事
歯科医院の承継(譲渡)の種類と方法 「承継と居抜き」「個人と法人(持ち分あり/なし)」の違い 「4種類ある第三者承継」を詳しく解説します