メインテナンス自費化の準備、保険制度と自費の可能性を学ぶ 対談【前編】:鷲見裕子様

鷲見さん
「メインテナンスの自費化」というテーマで、株式会社リミエル代表の鷲見裕子さんとの対談から抜粋した内容の【前編】です。

メインテナンスにおいて保険だと患者さん負担は2,000円~3,500円程度です。

一方、メインテナンスの自費化となると8,000円~10,000円くらいだと思われます。

この差は3~4倍です。

1時間1万円も頂けるのか、まず無理だな」とこれまで保険中心で行ってきた歯科衛生士さんは思うはずです。

しかし、世の中には1時間1万円以上を支払うサービスは沢山あります。

そこには顧客がそれ以上の価値を感じているためです。

歯科衛生士の仕事も価値という観点からみると「一時期的なスッキリ感」だけでなく「長期的な健康、笑える毎日、医療費の削減」と様々な面があります。

このように歯科衛生士の仕事の価値を多面的に学ぶことで、自信も生まれるはずです。

今回は、歯科衛生士の仕事の価値について鷲見さんにお話しをお聞きしています。

鷲見裕子さん

【プロフィール】
歯科衛生士でありながらスタッフ数50名程の大型歯科医院の副院長を務める。

その中でスタッフ育成やTC業務を行ってきた。

その後2015年に独立し、人材教育・コンサルティングを行い、全国に多くのファンがいて研修は中々受けられない状況が続いている。

【教育への想い】
私は20年歯科業界にいます。

結婚・出産をしながらブランクを作らずに現場論にこだわりをもって仕事をしてきました。

最終的には医療法人の副院長を務め、医院の舵取りをしてきました。

女性だからこそ、クリニックで働く女性を活かすノウハウをお伝えします。

様々なセミナーに個々が出向いてもなかなか医院のシステムに落とし込めない、そんな経験はありませんか?多くの院長先生の悩みです。

出張訪問セミナーでは私が医院に出向き、「仕事に向き合う人生のマインド」を揺さぶります。

女性が輝きながら、自分の力で成長していく、結果的に医院全体が活性化する、そんなお話をスタッフ皆さんで聞いていただき意識改革を目指します。

丹羽:「『メインテナンスの自費化』という事についてお聞きしたいと思うのですけれども、鷲見さんご自身『メインテナンスの自費化』について、まずお考えを簡単にお聞かせいただけますか?」

鷲見:「はい。日本の保険制度では、特に歯科の話ですが『歯科は検査というものがあまりないまま治療を進めてしまっているのかなぁ』と思います。

例えば歯周病の検査を保険ベースで考えた時に、レントゲンと歯周検査、ポケット測定ですね。

それ以外のものが見えてこないのに『【治す】という行為ができるのかなぁ』と思います。

そして治らないままなんとなくメインテナンスと言ってリコールに繋げていく。

ずっと治らない、治していない、でもリコール・メインテナンスと呼んでしまうのは、やはりおかしいと思います。

徹底的に何が原因で病気が起こっているのかを知って、どの菌が多いからこういう治療をする、この薬でアプローチするという『原因究明をしよう』というのが普通の流れの自費だと思います。

だから少し逆転してしまっているところがあるように思うのですけれども、徹底的に治すという事を追求すると必然的に自費の範囲に入るというイメージです。」

丹羽:「なるほど。当たり前の事をやろうとすると、どうしても自費になるわけですね。

スタッフにはその辺りはどういうふうに説明していますか?

今まで保険が当たり前みたいなメインテナンスをスタッフは『自費』となると、大きな心の壁があると思うのですが、どのような感じで進めていくのですか?

鷲見:「これを曲げてなんとなく説明するのは良くないと思うので『保険でできる範囲は限られているから、自費でした方がたくさんの事ができるんだよ』といった説明ではなく、『自費でできる可能性』という部分をしっかり話してあげることだと思います。

例えば、位相差顕微鏡でこういうふうに細菌の検査をします。

この細菌がこういう悪さをして・・というのを全部きちんと話をします。

ここを知る事によって『こう治していきます、それで治ったからこそ次に再発しないようにメインテナンスをしていく』ということが大事だと思います。

そのメインテナンスに関して、徹底的にプラークをコントロールして菌を排除し続けるという事を考えていくのです。

そして、保険で初診から検査をしスケーリングをして次に『メインテナンスって保険の制度であるんですか?』と言ったら本来ないわけじゃないですか。

ということを考えると『メインテナンスってなんでしょう?』という事も含めてやはり議論して考えていかなくてはいけないと思います。

そこの理解を深めてもらう。

保険制度の勉強というのはとても大事な部分だと思います。」

丹羽:「そういう事も含めて行っているわけですね。」

鷲見:「そうですね。

それを歯科助手さんだけではなく教えていくべきだと思うのです。

それを教えていく事によって、自分達が関わっている仕事の価値が上がっていくと思います。

より良い物を提供するというのは大事なことですし、保険制度を勉強していけば結果的に治療の中で言えば『メタルのインレーを入れるのか』『セラミックのインレーを入れるのか』といった時にも同じ考えになり、相乗効果が出てくると思います。

それは窓口である受付さんにしても、もし商品の提供・ご案内をするのがTCであればTCの助手さんも含めて理解すべきだと思います。」

丹羽:「なるほどね。例えば一般的にはよくあるケースとして『これからはメインテナンスの自費化をしっかりしていかないといけない。カウンセリングを高めよう、施術のレベルを高めていこう、1時間1万円頂いて満足できるようなものにしよう!』ということで研修講師を連れてきて医院で行うけれど、なかなかうまく機能しない。

落としこまれないという所に一つの医院側の準備というものがあるかなと思います。

その点、鷲見さんの考えられる準備というのはどういう事をされるのですか?」

鷲見:「『1万円の物を売って下さい』というハードルは高いと思うのですね。

例えば、3,000円で買っていた人に、1万円でまぁまぁ同じ時間を過ごしてもらって、それを売ってこいというのは、スタッフにとってはハードルが高いと思います。

でも1万円の価値が理解できたら『だから1万円するんだよね』という価値を話せばいい事になると思うのです。

価値を話せるようになるという事を準備するには、1万円以上の価値を出さなければいけない。

それが施術であれば施術の準備をしなければいけないのですが、『どうしてその1万円の物が必要なのか?』『その人にとって必要なのか?』『健康になるために必要なのか?』という事を理解させないといけないと思います。

言葉にするにはとても難しいのですが、結局スタッフの健康意識とか美意識とかそういうものを上げていかないといけないと思っています。」

1アクション
歯科衛生士の仕事の価値と何かを書き出してみる

 


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ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。 ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。 2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。 そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。 また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。 座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。