治療完了する患者さんは多い!なのにリコールがなかなか増えません

治療が完了する患者さんは多い方なのに、リコールが中々増えない医院さんはよくあります。

治療完了時に仕上げや唾液検査、しっかりとリコールの説明をしていても、リコールがなかなか増えてきません。

しかし「当院の地域ではまだまだリコールは増えないのか」と諦める必要はありません。

なぜなら、治療完了後にリコール移行率を高めるには2つの視点があり、多くの医院はもう1つの視点を見逃してしまっているためです。

そこで、ここではもう1つの視点についてお伝えします。

Contents

治療完了者は多い医院なのにリコールが増えない

治療が完了する患者さんは1か月に20人程はいて多い方なのに、リコールが中々増えないというお悩みを持つ歯科医院の話です。

ここの歯科医院では治療が完了するとスタッフが唾液検査を行って、簡単なリコールの説明をして終わりになっています。

しかし、リコールの数は一向に増えません。

治療が完了してリコールに移行する率が低い状況です。

この場合、リコールが増えない原因は、このリコールの説明の内容だと思われるかもしれません。

確かに説明は大事です。

ユメオカでも治療完了時のリコールの説明を「完了比較カウンセリング」と呼んでいて、この方法を体系化しています。

しかし、この完了比較カウンセリングを手順に沿ってしっかり行えさえすれば、リコールへの移行率が高まるというわけではありません。

リコール移行率を高めるには、もう1つの重要な要素があるのです。

治療完了後にリコール移行率を高めるのに必要なことがあります

結論から言えば、その要素とは治療完了時までにその患者さんの予防歯科の予備知識をいかに高めておけるか?という視点です。

つまりこの「予備知識の高まり」×「完了比較カウンセリング」によってリコール移行率は継続的に高めることができるのです。

しかし、この予備知識を高めることは非常に難しいことです。

なぜなら、治療中の患者さんの多くは予防歯科への関心が薄く、「治療はいつ終わるのか?」が最大の関心事だからです。

このような状態の患者さんへ一方的に予防歯科について説明してみても、右から左になりかねません。

ではどうすればよいのでしょうか?

ユメオカでは『患者の心理ステップ』という考え方を2008年に発表しました。

それは【直感 -共感 - 安心感 ―関心 -納得 -決断】という患者さんの心理を6ステップで考えることです。

そして、この『患者の心理ステップ』で考えると、患者さんの予備知識をいかに高めておけるか?が分かります。

患者さんの状態が【関心】状態に達していないのに、いくら【納得】してもらうための説明をしても、上手く伝わりません。

逆に【関心】状態に達している患者さんになら、しっかりとした説明が、とても有効です。

では、治療中の患者さんを予防歯科に対して【関心】状態に持っていくにはどうしたらよいか?

それは予防歯科ありきの話をしないことです。

そして、患者さんが興味を持ちそうなことで入口をつくることです。

例えば、

「50代以降に歯を失わない人がしている習慣を知っていますか?」

「以前、生活習慣病が気になる年齢になったと言われていましたよね。最近では歯と生活習慣病の関係が明確にわかってきましたが、ご存じですか?」

「当院では月間200人程度の方が治療以外の目的で来院されていますが、どういう目的で通われているのかご関心はありますか?」

というような入口をつくるのです。

この方が、

「予防歯科を行うとどんなメリットがあるか興味ありますか?」

といきなり尋ねられるより、患者さんは関心を持ちやすくなります。

そのため、このような入口を用意して治療完了時までに患者さんに予備知識を高めてもらうことが重要です。

予備知識を高めてもらうには、直接的な説明以外にも多くあります

このような入口をつくって患者さんに問いかけるのも有効ですが、実は他にも方法は多くあります。

具体的には、

  • 小冊子
  • 待合室に動画(YouTub)
  • チェアサイドのスライド

などです。

先ほど例示したような入口の質問を、小冊子や動画のテーマにして作成します。

例えば、

【50代以降に歯を失わない人がしている3つの習慣】

というテーマの10ページほどの小冊子をつくって待合室に置いておいたり、治療途中にスケーリングを行った際に30~40代の方にお渡ししても良いでしょう。

また、LINE@やツイッターなどで患者さんに情報提供をはじめている医院さんは、このテーマでの情報を提供し、関心を持ってもらいやすくします。

こういったツールを上手く使うことで

  • スタッフが説明する時間を作らなくて済む
  • 説明の内容も統一して伝えられる

といったメリットにもつながります。

最後に、待合室に流す動画の例をご紹介します。

予防歯科にほとんど関心がない方には、入口が大事だとお伝えしました。

つまり、動画でも患者の心理ステップ【直感 -共感 - 安心感 ―関心 -納得 -決断】に沿って、スライドをつくることがポイントです。

【関心】を持てていない方向けには、その前段階(【安心感】より前)からスタートするスライドです。

ユメオカではサンプルを作っていますので、参考までにご紹介します。

https://vimeo.com/325370056/dbb132dea3

このスライドは5分程度の内容で、最初に

160人  一体これは何の数字でしょうか?」

という質問からスタートしています。

このような動画をつくり、少しでも治療途中の人に見ていただくことで、予備知識が増えます。

そして治療完了時の完了比較カウンセリングが価値をもたらします。

これが「予備知識の高まり」×「完了比較カウンセリング」です。

このように患者さんの「予備知識を高める」ことに力を注ぐことで、リコール移行率も上がってきます。

(※)このサンプル動画のスライドなども付いてくる「10年使える動画活用」を題材にした教材:予防型歯科医院をアップデートする!DVDセミナーがあります。

1アクション
患者さんの予防歯科に関する予備知識を高めるために当院でできることを院内で話し合う

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ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。 ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。 2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。 そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。 また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。 座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。