例えば「妊娠中にお口のメンテナンスをしてもらうことは、胎児に悪影響を及ぼすかもしれない」というようにです。
誰も教えてくれる人がいないため、漠然とそのように考えている人は多くいるのも当然でしょう。
またこの状態は、産婦人科の先生が妊婦さんからの相談の都度、誤解を解く必要があり、歯科医院は妊婦さんに喜んでいただく機会を減らしてしまっています。
そこで、産婦人科医の先生のお話をもとに産婦人科医院と予防型歯科医院でどのような医科歯科連携が全ての人を幸せにするかを考えてみました。
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産婦人科医が知っている妊婦さんの歯科への誤解
私が産婦人科医の林伸彦先生など、数人の方と話をしていた時のことです。
産婦人科では妊婦さんから、「妊娠中に歯科の健診を受けても大丈夫でしょうか(胎児に影響はないか)」といった相談を多く受けるそうです。
相談しない人も多いため、実際に誤解している人は、より多いことでしょう。
また、「むし歯があるけど治療していいか分からず放置している」という妊婦さんも多くいるそうです。
このように妊娠中の歯科検診については様々な誤解があり、産婦人科の先生達も困っています。
実は、妊娠時は歯科メインテナンスを習慣化するのに最も良いタイミングです。
というのも、『生まれてくる子供を守る』という観点から、妊婦さんと旦那さんのご夫婦で歯科メインテナンスを受けることを勧めると、自分のためには行動しなかった人でも、子供のためなら行動することが多くあるからです。
実際、妊娠をきっかけに歯科メインテナンスを続けている人は少なくありません。
しかし、現実は先ほどの話のように、誤解を持っている人が多い状況です。
誤解を解くために産婦人科の先生達に歯科メインテナンスの促進を依頼するのも重要ですが、歯科からの一方的な提案のみでは、多忙な産婦人科の先生達の中でも動いてくれる方は少ないでしょう。
そこで、Win-Winになる関係を考えます。

予防型歯科医院と産婦人科医院におけるWin-Winとなる関係
産婦人科の先生達には「風疹ワクチン、葉酸」が妊娠前に必要なため、伝えていきたいという願望があります(妊娠後にそれらの接種をする人は多い)。
しかし妊娠前に産婦人科に通う人は、不妊治療以外ではほぼありません。歯科医院ならそこに貢献できそうです。
例えば、歯科医院で「風疹ワクチンと葉酸」が妊娠前に必要であることを、ツール(リーフレット、小冊子など)を使って伝えます。
そして産婦人科では、妊娠中の歯科メインテナンスの重要性について、ツールを使って伝えてもらいます。お互い、手間は最小限にして推進します。
妊婦さんにとっても、歯科では「風疹ワクチン、葉酸」について知り、産婦人科では「歯科メインテナンス」について知ることで、客観的に捉えられる効果があります。
地域でこのように歯科と産婦人科が連携できれば、多くの妊婦さんに喜ばれ、お互いの医院経営にも良い影響を与え合います。
この活動が結果、生まれてくる子供にも妊婦さんにも、そして夫婦のこれからの人生にも貴重なきっかけを提供できるはずです。
まとめ
医科歯科の連携は、予防歯科を普及させるだけではなく、患者さんが健康で豊かな人生を送っていくために必要なことだと感じています。
これから高齢化社会がより深刻な問題になる上でも治療だけではなく、予防医療に携わる先生たちにも大きなメリットにもつながり、患者さんのメリットにもつながっていきます。
さらに大きく見れば国の医療費負担も軽減されるため、医科歯科連携はこれからの医療のスタンダードになっていくべきではないかと私は考えています。

厚生労働省が発表している「口からはじめる生活習慣予防」のスライド(PDF)です。図や表が多く分かりやすいため、患者さん向けに提供(引用)する資料としても効果的です。
この内容の関連動画(約2分)でお話ししています
「歯科 経営 妊婦検診から紹介で新患を増やす着眼点」
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