デジタル技術の進化と、それを医院に適応させることで患者さんの満足度の向上と、そして生産性の向上によってスタッフの給料を上げ続けることができるためです。
また、近ごろは菅政権によりデジタル庁の新設や、中小企業再編の動きがありますが、どちらも真意は最低賃金の向上で、歯科医院も他人事ではありません。
しかし一方で、「医院がデジタル化するイメージがいまいちよく分からない」という方も多いと思います。
そこで今回は、デジタル化推進により診療や医院運営がどのように変わるかイメージできるように記述しました。
Contents
菅政権のデジタル庁新設により加速するデジタル移行は、歯科医院にも当てはまります

2021年秋に政府は日デジタル庁を新設する方針を発表しました。
これは菅政権の目玉の1つで、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を加速させる狙いです。
生産性向上につなげ、先進諸国の中では著しく低い日本の最低賃金を引き上げ、国民の生活を豊かにする政策と言えます。
ですがこれは、経営者にとっては、大変な時代です。
日本の最低賃金は先進国の中でも最低で、最低年収は16,607$です。
一方で1位のルクセンブルクは26,250$と、日本と比べて1.6倍近く高いです(出典:世界の最低賃金ランキング2019年版)
そしてこのDX、歯科医院にも当然その波はやってきます。
というより、これから生産性を上げて、どんどん上がる最低賃金に対応できなければ、医院利益が大幅に下がるか廃業しかなくなります。
しかし、そんな状況でも先手先手で動く歯科医院には、明るい未来がやってくると私は確信しています。
そこで、私が想像する2025年の予防型歯科医院についてお伝えします。
2025年の患者さんの行動はアプリを軸に変貌します

ここからは、2025年4月5日を想定します。
患者さんである高橋千春さん(仮名:45歳)は、自分のスマートフォンに入っている診察券アプリから、都合のよい日程で歯科医院の定期検診のための予約を7月10日にとりました。
しかしその後、当日に子供の学校の授業参観が重なることが分かりました。
子供の授業参観はネットでも見られるのですが、高橋さんはリアルで見たいため、歯科医院の予約の変更をすることにしたのです。
高橋さんは予約を7月16日に変更するため、アプリを使いました。
ほんの1分程で、変更は完了しました。
定期検診の予約日である7月16日の前日には医院からアプリに問診票が届き、必要事項を記入して送信しました。
子供の塾の迎えの車の中で、2分程で完了しました。
7月16日の診察当日になり、歯科医院に行きました。
高橋さんは受付の前にあるQRコードにアプリをあててチェックインを行った後、歯科医院内で誰とも話すことなくそのまま外に出て、隣のスーパーでなくなっていたお酒の買い物をすることにしました。
そしてちょうど買い物が終わった頃、歯科医院から「次があなたの順番です」の自動メッセージが届きました。
歯科医院に戻ると、ほとんど待つことなく担当の歯科衛生士さんに呼ばれ、診療室のチェアに向かいました。
密になりがちな待合室で待つ時間はほとんどなく、非接触でチェアまで行けることも高橋さんがこの歯科医院を気に入っている1つの理由です。
そして、45分ほどの定期検診を行い、最後に自分の歯の写真などをアプリに送信してもらい、次の予約もアプリ上でとってもらい完了しました。
その後、そのまま会計をすることなく高橋さんは医院を出ていきました。
といっても会計をしていないのではなく、定期検診が終わると同時にアプリに登録してあるQRコード決済で自動決済されるため、会計のために待合室で待つ必要がないのです。
5年前は定期検診の前後で15~20分ずつ、つまり30~40分は余計にかかっていたのですが、それが今はほとんどありません。
そのため、高橋さんは子供の習い事の迎えの時間にも余裕をもって行くことができています。
これが2025年の定期検診で来院される患者さんの行動です。
アプリを軸に予約からチェックイン、会計まで済ますことができるため、とてもスムーズです。
それでは次にスタッフの働き方はどうなるでしょうか。
2025年のスタッフの働き方は変わり生産性向上につながっています

患者さんの行動が大きく変わると同時に、スタッフの働き方も変わってきます。
まず受付です。
会計と予約業務がほとんどなくなりました。
以前は業務時間の8割程度を使っていた作業ですが、今は2割くらいで、アプリでうまくできなかった予約の問い合わせ対応や会計の設定を行うぐらいです。
患者さんから相談を受けることもありますが、あらかじめオンラインで患者さんの一次相談を受け付けているため、スムーズに応じたり、歯科衛生士や歯科医師に内容を伝えることができています。
その他の業務としては、お知らせの情報発信を主に担当しています。
医院内に広い待合室が必要なくなったため、その一部をデンタルケアグッズなどの販売に充てています。
受付は早めに来られた患者さんの相談にのりながら、適切なグッズを提案しています。
その結果、ケアグッズの販売売上は5年前の5倍になり、新しい自費メニューを行う患者さんは2倍に増えました。
次に、歯科衛生士です。
来院される患者さんごとにチェアサイドで予約をとったり、説明資料を印刷したりといった雑務が7割以上減りました。
すべてアプリ上でできるため、手間がいらないのです。
その分、患者さんの悩み事を聞く時間にあて、適切な治療やホームケアなどを提案する時間が増えました。
その結果、ケアグッズの販売も増え、働く時間は同じでもリコールのアポ枠を増やすことができています。
最後に歯科医師です。
受付が行うオンライン一次相談からの情報をもとに必要な提案だけを患者さんに行うことで、短時間で適切な治療提案が多くできるようになりました。
また、口腔内の3D画像が簡単にとれ、補綴物などのデータを技工所に送ることができるため、素早く補綴物も送られてくるようになっています。
これまでと比べてその手間も大きく減ったため、1枠にかかる時間が減って、1日あたりの治療数も増えました。
このような変化により、働く時間は減っても、医院の売上や粗利は上昇し続けています。
つまり、医院全体の生産性の向上です。
もちろん、5年前より30%も上がった法で決められた最低賃金を20%程度上回る給料をスタッフに出すことができています。
2021年からのデジタル化が2025年のあり方を決めます

今回お話したように、これから5年で歯科医院は大きく変貌することでしょう。
そのキーワードがデジタル化です。
2020年のコロナ禍で加速したデジタル化に適応している医院にとっては、患者さんもスタッフも喜び、生産性が高まるビジョンが広がる医院になります。
しかし、適応できない医院は、否応なしに迫り来た最低時給の加速的アップによって耐えられなくなってしまうでしょう。
そして2020年の今、既にここで記述した【患者さんの行動】【スタッフの働き方】を実現するデジタルツールは世の中に存在しているのです。
これは単なる夢物語ではありません。
そのため「貴院がいつやるか?」を決めるだけと言えます。
そこで、2025年に向けてDXを上手く進めるために歯科医院が行う手順について、以下に記します。
1) この記事あるような【患者さんの行動】【スタッフの働き方】理想のあり方をイメージし書き出す
2)「診療・患者コミュニケーション・会計と予約」という観点で、どう改善できるかを整理する
3)「診療・患者コミュニケーション・会計と予約」において、どのようなデジタルツールがあるかを情報収集し、医院にあいそうなものをピックアップする
4)導入する優先順位を決める
なお、この点について「ご自身で考えているといつまでたっても進まない」という院長はDXに強い第三者に相談して進めることも選択肢としてあげるとよいでしょう。
周りにそのような第三者がいない院長はユメオカまでご相談ください。
冒頭でお伝えしましたように、2021年からDX化はあらゆる業界で加速するでしょう。
その変化に適応できる会社や医院が生き残っていき、どんどん新たなビジョンが広がっていきます。
ですが「生産性向上による継続的な賃金向上」は、日本全体の問題でもあり、そこに適応できなければ淘汰されてしまうのです。
【適者生存】、これは進化論のダーウィンが言った言葉です。
「時代を問わず生き残っていくものは強い者でもなく、買い濃い者でもなく、変化に適応できるものである」ということです。
今からDX化を活用して、患者さんが喜び、スタッフが働きやすくなって給料も増え、医院の利益も高まり続けてビジョンがどんどん広がっていくような歯科医院づくりをしていきましょう。
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『予防型にシフトしていきたい』と思いながら、
・どのようにスタッフに浸透させたらよいか?
・患者さん教育の在り方はどう考えればよいのか
といった方向性の課題から、
・スタッフ中心医院での昇給制度
・キャンセル空き時間の活用
・教育カリキュラム
といった現場レベルの課題まで色々と院長には考えることがあり1人で考えていると全然進まない、という方も多いでしょう。
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