その選択肢としては[受付スタッフが兼任][パートの事務長][外部の事務長][常勤の事務長]があります。
どの事務長スタイルが当院には合っているのか? を考える前に事務長にどんな仕事を依頼したらよいのか? また年収や費用(外部の場合)はどれぐらいを支払えばよいのか? を明確にする必要があります。
しかし、はじめて事務長を雇う歯科医院の場合、参考になる情報がないと明確にできないと思います。
Contents
2種類ある歯科事務長のタイプ
歯科事務長というと書類作成、業者対応、雑用、経理といったことをする人というイメージがわきます。
しかし、このようなイメージは1つの側面でしかありません。というのはこのような役割を担う歯科事務長は、待ちの時代に必要とされた方々です。
「待ちの時代」とは患者さんもスタッフも待っていれば来院される時代のことです。
昨今はどうかといえば、このような医院さんは少ないはずです。
小児のう蝕は減り、インプラントなどの高額自費の需要は一巡し、治療型医院から予防型歯科医院に進化する医院さんが増えました。
そうなると待っているだけでは患者さんもスタッフも集まらなっています。そして、医院がスタッフを選ぶから選ばれる時代になっています。そこで必要なのが攻めの仕事です。
患者さん向けの仕事内容であれば【ホームページや動画の作成、訪問診療の獲得、自費患者育成のためのセミナー開催】というようにです。
またスタッフ向けの仕事内容であれば【ホームページ、個別面談、制度作り、動画】などが必要です。これらが攻めの仕事です。
しかし、院長が診療を行いながら攻めができるか? といえば、時間的に難しいし、他の人に任せた方が医院全体としては効果的になります。
そこで考えられるのが、攻めタイプの歯科事務長です。
この攻めタイプの仕事ができる事務長を雇わないと「医院が求めること」と「事務長ができること」のミスマッチにつながってしまいます。

攻めタイプの歯科事務長の仕事内容と事例
そこで最初に攻めタイプの事務長として成功例をご紹介します。
倉敷市 東風会グループ(7医院)の西村一仁さんです。従来の(待ち時代の)事務長ではないため、肩書は事務長ではなくGM(ジェネラルマネージャー)です。
また西村さんは東風会グループで10年以上勤務されています。この西村さんの例を基に攻めタイプの事務長の仕事内容についてお伝えします。

これは西村さんが作成されたご自身の仕事内容を基に作成した事務長業務マップです。
このマップのように攻めタイプの事務長の仕事内容は大きく4つに分かれます。
それは、『マーケティング、医院運営、人事、総務』です。
1つづつ約2分程度の動画でご紹介します。
まず『マーケティング』です。これは攻めタイプの院長にこそ、求められる仕事内容です。
▼歯科 経営セミナー 歯科事務長に任せる仕事内容『マーケティング編』
2つ目が『医院運営』です。これは事務長が積極的に、また定期的にスタッフの様子を見ながら個別面談を行っていくことでスタッフの定着率を高め、安心感とやりがいを持って働いていただくための重要な仕事です。
▼歯科 経営セミナー 歯科事務長に任せる仕事内容『医院運営編』
3つ目が『人事』です。求人から採用までを企画し、全体を見ながら責任を持って運営していただく仕事内容です。これも昨今、とても重要な仕事内容になっています。
▼歯科 経営セミナー 歯科事務長に任せる仕事内容『人事編』
4つ目が『総務』です。これは従来からある歯科事務長の仕事です。上記3つによって歯科事務長の効果が大きくなった時には、パートさんなどに任せてもよい仕事内容です。
▼歯科 経営セミナー 歯科事務長に任せる仕事内容『総務編』
これらを参考に事務長に任せたい仕事内容を明確にし、優先順位を付けた上で求人、面接することでミスマッチが少なくなり、納得感を持って働いてくれることになります。
攻めタイプの歯科事務長の給料(年収)と効果
はじめて歯科事務長を雇う場合、院長は「事務長の給料はどれぐらいで設定するとよいのか?」と悩むと思われます。
攻めタイプの事務長給料の1つの基準として、即戦力となり得る30代中盤くらいの方で年収420万円(月額35万円、賞与なしの場合)以上が望ましいです。
なお、20代でスグには即戦力にはなり得ない場合は月額22~28万円程度でも大丈夫です。理由は2つあります。
1つ目は数ある職種の中で魅力を感じてもらえる給料額でないと、優秀な人材の応募が来ないためでです。攻めタイプの事務長が求職する職業は、一般企業だと例えば営業やマーケティングとなります。
それらの仕事と比較して彼らは応募するか否かを決めます。これらの職種の場合、売上に貢献するため30代中盤で月額35万円程度になります。
2つ目は、せっかく歯科医院に入社しても、安心して長く働き続けるために給料と仕事内容に納得感が必要なためです。歯科医院は女性の職場ゆえに、給料よりも環境ややりがいが求人の時に優先されがちです。
しかし男性の30代中盤の事務長を雇うとなれば、勤務医の方と同じように給料と仕事内容に納得感が最も重要です。
そこで院長が不安に思われるのが「月額35万円の給料を払ってもペイするのか?」です。
勤務医は直接、売上に貢献するため分かりやすいですが、歯科事務長はそうではありません。そこで、どのように考えたらよいか? について説明します。
月額35万円の事務長にかかる固定費合計は月額50万円程度です。
というのは給料以外に交通費や社会保険、研修費、パソコン、備品などが必要になるためです。50万円の固定費を回収するのに必要な医院売上は約63万円/月(粗利率80%の場合)です。
例えば、月間売上600万円の医院さんであれば、それは10%以上に相当します。
その上で事務長が入職することで得られるメリットを次のように書き出します。
〇院長の診療時間が増える(⇒ 自費診療増加など)
〇スタッフのモチベーション向上(⇒ 中断率低下、診療の効率化など)
〇患者さんの満足度向上(⇒ リコール率、自費率の向上)
これらによって、トータル売上10%以上の効果があると見込め、院長が長期的な視点で医院経営を考えられる時間が増えれば、事務長を採用する価値が十分あると考えられます。
またそこまで仕事がなく得られる効果も低そうという判断であれば、まずはパートの事務長や外部の事務長を依頼した方がよいでしょう。
関連記事
歯科事務長を雇いたい!適切な人材を採用し、長く勤務していただく条件があります