開業7年目でキャンセル率[13%以上]の医院で、[10%以下]にする改善策があります

キャンセル率の改善、これは多くの歯科医院さんが悩む問題です。

しかし、やみくもにハガキ・メール・電話連絡・ショートメッセージ配信などを行ってみても、残念ながら効果は出ません。

なぜなら、それらが効果的な患者さんは“単なる度忘れ“の方々だけだからです。キャンセルをする人の背景は様々です。

そのため、ユメオカではキャンセルの中身を分析、分類化し、対策を講じることを提案しています。

また、キャンセル率は0%にはなりません。そのため(必要以上に)キャンセル対策をやり過ぎると、労力の割に成果が伴わなくなります。ゆえに適切な目標設定も重要になります。

そこで今回は開業7年目の医院さんを事例にデータを分析し、その背景にある患者心理を読み解きながら、対策についてお伝えします。

そもそもキャンセル率13%は高いか低いか? キャンセル率の平均は一体、どれぐらいなのか

開業して7年、順調に患者さんも増えてきましたが、キャンセルの多いことが悩みの松下院長(仮名)に話をお聞きしました。

・キャンセル率を調べると毎月平均13%程度ある

・これまでハガキ・事前の電話・アポ管理システムのオプションにあるSMS送信などやっているが、あまり効果を感じていない

・キャンセル率が高いと診療のリズムが崩れやすくなったり、受付の仕事が増えたりしているため、何とか改善したい

松下院長と同じように悩む院長は多いと思います。

そして歯科医院で予約システムを採用している以上、一定のキャンセル数は発生しますが実際、歯科医院の平均キャンセル率はどれぐらいでしょうか?

それは12~13%程度です。

そして、10%以下であればキャンセル率は低い言えます。

ただ、キャンセル率は自費率とも関連があり、上記の基準は自費率が20%以下の医院さんの場合に当てはまります。

といいますのは、自費の患者さんは滅多にキャンセルしないため、自費率の高い医院の場合、自然にキャンセル率は低くなる傾向があります。

例えば、自費率50%程度の医院さんですと平均キャンセル率は、5~7%程度です。

そして、キャンセル数全体の中でも無断キャンセルの比率(「無断キャンセル数÷キャンセル数全体」これを以下、【無断キャンセル割合】)が多いか少ないかで、キャンセル対策は変わってきます。

【無断キャンセル割合】が30%以下であれば、無断キャンセルは多くないと考えられます。

そこで私は、松下院長に【無断キャンセル割合】を調べていただくことをお伝えしました。

すると【無断キャンセル割合】は40%程度であることが判明しました。

この場合、まず無断キャンセル数を減らさないと全体のキャンセル率は下がってきません。

そして、無断キャンセルが多い医院さんの共通点として急患が多いという相関関係があります。

急患が多いというのは、患者視点で考えると次のようになります。

「この歯科医院は、予約をキャンセルして朝、突然電話したり医院に直接行けば、診てくれるから、予約はキャンセルしてもかまわない」

と思う患者さんが増えて、それが次第に無断キャンセル常習者になってしまいます。

その結果、無断キャンセル増につながっているのです。

この場合の改善策は『急患の受け入れ方』を医院で決めることです。

これを行わないと、土曜日や平日の17時以降など予約が取りにくい予約枠が無断キャンセルされる状況が今後も続き、(その予約枠に入りたかった)他の患者さんにも迷惑がかかりますし、このような例が多ければ医院の売上にも影響します。

キャンセル率を下げる!無断キャンセル数を減らすための改善策があります

そこでまず、急患をタイプ分けをして「急患として受け入れるか否か」を現場の受付が判断できるようにすることです。

 上記の例のような「キャンセルしても、いつでも入れるからいいや」と考える患者さんを急患として入れないようにします。

 この点を私は松下院長にお伝えし、スタッフミーティングで次のような3つの急患タイプ分けが決まりました。

【急患のタイプ】

A・「痛い」「とれた」「腫れた」

B・「治療の続きを」「いつも予約とらないから」

C・「今日しか来れない」「今日休みだから」「予約外でお願い」

そして、このB・Cタイプの方は「急患では入れない、予約もとれないようにする」というキャンセル・ルールを医院として決めました。

しかし「これをどのように患者さんに伝えたらよいか?」が次の問題です。

なぜなら、伝え方次第では患者さんを怒らしたり、反感を買うこともあるためです(このような対策を講じる場合、患者さんが予約時間通り来院しているのに長い待ち時間があれば、患者さんには一方的な理不尽なルール変更だと反感だけを買ってしまいます。

そこでまず、医院が患者さんに対して待ち時間がなくなるような工夫をした上で、上記のようなキャンセル・ルールに移行する必要があることは私が言うまでもありません)。

 そこで、B・Cタイプの患者さんが急患で入って、次回の予約を取る際のトーク例が以下になります。

 

当院も最近は、かなり予約がとりづらい状況になってきています。

そこで予約の取り方として医院で新ルールが決まり、8月から実施させて頂くことになりました。

それは予約をしっかり守って頂ける方の予約を第一優先にするというルールです。

のため、予約を2回連続でキャンセル、もしくは予約の3割以上をキャンセルされると、次回から予約がとれなくなってしまいます。

 この場合、当院から「午前枠、午後枠」という形でご案内させて頂き、その時間帯に来院いただき、予約枠が空いたら診療させていただく形になります。

そうなってしまうと、●●さんの待ち時間も増えてしまいます。そのため、必ず来院できる日に予約をとっていただくようお願いします』

 

そして、この内容は初診カウンセリング時にも当院のキャンセル・ポリシーとして同様にお伝えすることで、新患の方々にも初診日に伝わります。

患者とスタッフ

 「先に言えば説明、後で言えば言い訳」というように先に伝えれば、問題になることはほとんどありません。

 以上のように既に来院中の患者さん向けには次回の予約を取る時に、そして初診の患者さんには初診カウンセリング時にお伝えし「先に言えば説明」にします。

そしてこのような取り組みを行うことで、一ルールを守って頂ける良質な患者さんの割合が増え、実は「キャンセル率低減」以外にも効果が出てきます。それは例えば

 ・診療がスムーズに進む

・受付の負荷も減り、院内が明るくなる

・口腔内の関心が高い患者さんが増える

・リコール率が向上する

・自費も自然と生まれやすい土壌ができる

というようにです。このように無断キャンセルの削減(特に無断キャンセル常習者の対策)は、単にキャンセル率の改善だけでなく、医院をどんどんよくするきっかけにもなります。

そして改善を行うと、急患枠が減ってしまうことで患者数の減少が多少がありますが、その分、入れ替わりが起こり、良質な患者さんの割合が増えるきっかけになるのです。

1アクション
初診カウンセリング時にキャンセルポリシーを伝える

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ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。