具体的な対策としては『オーラルフレイル』をあげており、長年、歯科医師会が中心になって取り組んできた『8020運動』が進化しています。
これまでは単なる「口の中の健康、歯を残す」ことが主眼だったのですが「口の中を通じて全身健康、健康寿命の長期化」にシフトしていると言えるでしょう。
そこで【骨太の方針2019】を読み取り、歯科医院がどのような準備・行動をしていけばよいかを記述しました。
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骨太の方針2019は2018から何が進化したのか
2019年6月に出された国の骨太の方針の中に次のような内容があります。
ちなみに2018年の骨太の方針は下記のような内容でした。

そこで、この2019年版と2018年版を比較して共通したポイント、異なるポイントについて整理してみます。
昨年(2018年)と共通したポイントは
・口腔健康が全身健康につながる
・歯科口腔保健の充実
・医科歯科連携の推進
の3つがあげられます。
また、この1年の異なるポイントとして
・エビデンスの信頼性を向上させつつ、国民への適切な情報提供
・フレイル対策にもつながる口腔健康管理
の2つがあげられます。

エビデンスある情報提供やオーラルフレイルが、これから益々重要になります
この骨太の方針2019には口腔管理に対する具体的な内容が盛り込まれ、より進化していると読み取れます。
そこで「エビデンスを基にした情報提供」「フレイル対策からの口腔機能管理」といった観点で、患者向け情報提供を各医院さんでも進めておくことで、後で(加算された診療の導入がしやすいなどの)追い風が吹く可能性も高いです。
そして、このように時代の流れを読んで、一歩先にアクションをしておくことが、医院をさらに成長させることにつながります。
また、厚労省などからこれから発表される資料にも上記の2点に関する情報提供が加速するでしょう。
例えば、以前もご紹介しました厚労省が口からはじめる生活習慣予防という資料(スライド)の進化です。
「エビデンスを基にした情報提供」「フレイル対策からの口腔機能管理」という国の方針を見据えた医院の現場レベルの準備例は下記です。
・リコール患者さんへ各種公的なエビデンス情報の提供
(慢性疾患と口腔ケアの関連性、歯周病と他の病気など)
・オーラルフレイルの教育(初診カウンセリングや院内ミニセミナー)
・口腔機能管理と全身への影響の啓蒙

これらを行う上で、雑誌や公的な統計、DentalX(プラネット)から提供される情報もどんどん活用して土壌を作っておけば、これから決まってくる国の加算制度の導入もスムーズに進むはずです。
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