コロナ変化をチャンスにする! 土曜日に集中する予約を分散しやすくできます

「土曜日と平日の17時以降は予約が全然とれない、しかし1週間すべての予約枠が埋まっているわけではない」という医院は多くあります。

しかし、コロナ禍でこの長年の悩みが解決している医院も増えています。

医院が適切なアプローチを試みることで、予約の分散化が進みやすくなっているのです。

そこで今回は、コロナ禍をチャンスに予約の分散化を試みた医院の事例を紹介しています。

また、予約の分散化で起こる思わぬメリットについてもお話しています。

 

Contents

土曜日は予約がとれないが、平日は予約が空いている日が多い

2019年までは土曜日はいつも混みあい、平日は空き枠が多かった医院の話です。

その医院の具体的な予約状況は

・土曜日は1日50人

・月曜日や火曜日は1日30人程度

・他の曜日は40人程度

 

というものでした。

アポの入れ方が良くないというわけではなく、会社勤めの患者さんが多いためどうしても土曜日に枠が集中してしまうのです。

 

特にリコール(予防の来院者)は土曜日に集中しており、なかなか予約がとれません。

このような状況が続くと働くスタッフも

 

☑ 多忙と暇の繰り返しでリズムよく仕事できない

☑ 集中力が途切れやすい

 

といった状態になり、無意識に疲れやすくなっています。

「この予約状況、何とかならないものか…」

これは院長にとっても長年、頭の痛い問題でした。

 

しかし2020年のコロナ禍の中で、状況は大きく変わりました。

曜日によって大きく偏っていた予約が、分散化されるようになったのです。

 

その予約状況の変化を具体的に記すと、

・土曜日は1日50人 → 45人へ

・月曜日や火曜日は1日30人程度 → 40~45人程度へ

・他の曜日は40人程度 → 35人程度へ

となりました。

また、全体の患者数も月単位でみると増えています

 

もちろん、自然にこのような変化につながったわけではありません。

この医院では2020年のコロナ禍の中で、積極的に

【予約アプローチ】

・受付の予約トーク変更

・予約の空き状況について初診時にお伝えする

・診察券アプリで予約状況を情報配信

といったことを行いました。

というのも、コロナ禍で患者さんのライフスタイルが大きく変わったことに、いち早く気づいたためです。

 

コロナ禍で患者さんのライフスタイルが変化しています

コロナ禍でテレワークを行う方が一般的になり、今までは土曜日の午前中しか来院できなかった患者さんの中にも、平日の昼間に来院できるようになった人が増えました

 

なにより、この医院の変化は、ある患者さんが受付で発した一言がきっかけで起こりました。

それは、

 

「今までは土曜日しか来れなかったのですが、今はテレワーク中心になりました。

午前の会議が終わったあとに1~2時間は空き時間ができやすくなったので、平日の午後に変更したいです。」

 

という申し出でした。

 

受付スタッフはこの言葉をキャッチし、同じようにライフスタイルが変わった患者さんは増えていると考えました。

そこで医院全体で、先ほどお話した【予約アプローチ】を積極的に行ったのです。

 

予約分散化のためのアプローチは、患者さんにも医院にもメリットがあります

それでは、【予約アプローチ】について具体的にご紹介します。

例えば受付の予約トークの場合、

 

「最近はコロナの影響でリモートワークも多くなり、平日に来られる患者さんも増えています。

もし平日の午後に来院できそうな時間がつくれるようであれば、土曜日よりも予約がとりやすいのですが、いかがでしょうか」

 

というように患者さんにお伝えします。

初診時のカウンセリングでも

 

「当院では土曜日や平日の17時以降は、かなり予約がとりづらい状況で、ご希望に中々添えないことが多いです。もし平日の午後に来院できそうであれば、予約がとりやすいので治療も早めに進みやすくなりますが、いかがでしょうか」

 

という感じに説明しておきます。

 

患者さんは、医院のどの曜日や時間帯が混んでいるのかを当然、把握していません。

さらに言えば、曜日や時間帯を変えれば予約がとりやすくなることも知りません。

 

そこで、先ほどのトークのように、患者さんに選択肢を提示してあげるのです。

 

予約の電話でも、軽く説明しておくといいですね。

キャンセルの時は患者さんが委縮してしまう場合があるので、穏やかな口調で、電話の話し方を意識するのが良いでしょう。

 

コロナ禍の前は、このような選択肢を出されてもスケジュールの都合がつかなかった患者さんも多くいました。

しかしコロナ禍でライフスタイルの変わった方は、時間の融通がつきやすくなっています。

 

実際に、患者さんにコロナ禍においてのライフスタイルの変化について聞いてみたところ、

 

・仕事がテレワーク中心になったため、昼間に自由時間をつくりやすくなった

・電車が混みあう時間をさけるため、時差出勤が増えた

15時退社の日もある

・自宅勤務が増え、歯のメンテを1時間受けるのは気分転換になっている

 

このような意見がありました。

患者さんのライフスタイルが変わったことで、医院にとっては予約枠が分散化しやすくなっているのです。

その結果、

 

☑ 患者さんは、(予約がスムーズにとりやすく)治療が早く終わる

☑ 医院は予約分散化でリズムよく働ける

 

と、win-winの関係になっています。

しかし、ここで疑問がわきます。

 

それは「せっかく予約が分散化できてもコロナが収束すれば元に戻るのではないか、これは一時的な現象にすぎないのではないか?」というものです。

 

結論から言えば、一時的な現象にはならないと私は考えます。

テレワーク日が週5日だったのが週3日というように若干、減ったりすることはあるでしょうが、「テレワーク自体がなくなる」ということはないでしょう。

 

なぜなら、日本企業の多くが抱える課題は生産性アップと働き方改革です。

 

コロナでテレワークが定着し毎日、会社に通勤しなくても業務が問題なくできることが分かってしまいました。

ゆえに毎日、通勤するという無駄な習慣をなくせば、交通費を会社が支給して通勤時間を消費することがなくなります。

つまり、出勤してもらう意義が激減したわけです。

 

会社にも社員にもメリットがないのであれば、“テレワークから元に戻る“ことはないでしょう。

 

予約の取り方を患者さんにとっても医院にとっても快適なものに変えるなら、今はちょうど良い時期と言えます。

歯科医院はこの変化をチャンスととらえ、今回お伝えした【予約アプローチ】をヒントに実施し、予約の分散化を医院全員で進めていってはいかがでしょうか。

 

最後に、予約の分散化が進んだ医院のスタッフに、

「コロナ前と予約分散化が進んだ今では、働いていて何が違いますか?」

という質問をしたところ、

 

・患者数全体は増えたけど、前より疲れは少ない

・集中力がとぎれることなく仕事ができる

・この状態を続けたい

 

といった回答をいただきました。

 

1アクション
患者さんのライフスタイルが変わっていることを想定して、【予約アプローチ】を行ってみる

 

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ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。 ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。 2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。 そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。 また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。 座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。