せっかく、歯科事務長を採用しても1年や2年で辞められてしまうと投資効果もないため、院長としては事務長採用に迷うはずです。 しかし一方で、歯科事務長でもやりがいを持って働き、10年以上に渡って勤務されている事務長もいます。 そこで、今回は歯科事務長として適切な人材を採用し長く勤務していただく条件についてお伝えします。
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歯科事務長が長く続かない理由があります
歯科事務長が院長の身内(弟さん等)以外で、10年以上続くケースは歯科業界ではまだ少ないです。
その理由に歯科医院特有の2つの環境があります。
1つ目は「歯科医院は普通、女性が多い職場であること」です。
2つ目は「歯科事務長というポジションは通常1人しかいないこと」です(よほど大型の歯科医院でなければ、歯科事務長を複数人雇うことは難しいです)。
このような環境事情から歯科事務長は常に孤独に陥りやすいのです。
私のクライアント先では新規に採用された事務長が2年ぐらいずっと「自分は必要とされている人間なのか不安です、院長に確認いただけないでしょうか」と言われていました。
「自分と同じ立場の人がいない」のは、自分が辛い状況の時、その気持ちを共有できる相手がいないため、さらに辛くなりがちです。
そして歯科事務長の仕事は【マーケティングから人事、総務】まで多岐に渡り、院長を支えていく仕事です。
頑張れば比較的早く結果も得られやすい勤務医の方とは違い、自分の存在価値を認識づらい役割なのです。
このような特性が歯科事務長にはあることを院長自身が、しっかり理解することです。
そうでないと、せっかく有能な歯科事務長を採用できてもいずれ、その歯科事務長は孤独感に苦しみ、退職してしまうからです。
これが一般企業と違って、歯科医院で事務長が長く勤務しにくい理由です。
そして、面接する時はその役割とその優先順位を紙に書いて伝えることで、適切な人材を採用することができます。歯科事務長の役割の明確化の記事はこちらが参考になります。

「歯科事務長が早期に辞める」のを防ぐために必要なことがあります
次に「歯科事務長にやりがいを持って長く勤めていただくためには何が必要か?」です。
それは医院側、つまり受け入れ側の意識です。
「どのような目的、どのような役割、仕事内容をしていただくのか?」を明確にし、それを院長の中にとどめるのではなく他スタッフにも共有、理解していただいた上で歯科事務長に入職していただくことです。
例えば医院に事務長を迎え入れる際、院長からスタッフにその旨を伝える【A医院】【B医院】2つの医院の話を比較してみてください。
『来月から事務長に入ってもらうことにしました。 当院も少しづつ大きくなってきて、スタッフだけでは抱えきれない仕事が増えました。そういった仕事を事務長に任せて、診療に専念できるようにしたいと思います』
『来月から事務長が入ってきます。当院の患者さんも増えこれからさらに予防型歯科医院へのシフトを加速し、患者さんにお口のケアの大切さに気づき、健康寿命の長期化にもっと貢献していきます。 その上で、患者さんへの説明や啓蒙を手伝ってくれるのが事務長です。 また、スタッフが気持ちよく働ける環境整備もこれから進めていきます。 皆さんの要望を聞きながら、その整備を中心になって進めてくれるのも事務長です。そして当院のビジョンが実現できるよう、皆さんも事務長に協力いただければと思います』
いかがでしょうか。【A医院】と【B医院】では、スタッフ達が「どのように事務長を迎えるか」の意識が大きく異なると思います。
このように受け入れ側が事務長の役割をしっかりと認識し、皆が事務長も尊重できるようにすることです。
スタッフの方々にとっては、歯科医師、歯科衛生士、歯科助手といった方が新たに入職してくるなら、その役割のイメージも既知情報があるため持ちやすいです。
しかし歯科事務長となると、全くそうではありません。この前提でに立って、迎え入れることが長期に渡って活躍してくれる歯科事務長が育つ最も重要な点になります。
そして、歯科事務長の孤独感については医院側で努力できることは限られています。
最も有効なのは「他医院の歯科事務長と交流できる機会を持つこと」です。これが、事務長の孤独感を少なくするためにとても重要です。
そして、このような交流会に歯科事務長が積極的に参加できるよう院長が促してあげることが大切です。
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