新しいシステムの導入に限らず、何か新しいことをやる時にはどうしても最初の一歩が出づらくなってしまいます。
しかしこれは、日頃から院長とスタッフの関係性がしっかりと出来ていれば問題ありません。
その上で手順に沿って導入すれば、スタッフも納得して導入できることが多いのです。
今回は、新しい機材やシステム導入において、スタッフが協力的になってくれるための手順を実例とともにご紹介しています。
Contents
新しい予約システムを導入したいけれど、スタッフが協力してくれるか不安です

山形県にある立花歯科クリニック(仮名)の実例です。
この医院では、1年前に導入した歯科衛生士用のユニットがほとんど使われていません。
院長がスタッフにその理由を尋ねると、
「慣れてないこともあるけど、ちょっと使いにくい部分がある」
という返答でした。
院長は「せっかく歯科衛生士用のユニットを導入したのに…」とショックを受けました。
また、患者さんに向けたユニットの説明資料を動画で作成しましたが、こちらもほとんど使われていません。
この動画というのは、患者さんに見ていただくことでスタッフの説明時間を省き、その後の話がスムーズになればという思いで作られたものです。
時間をかけて業者さんに編集を依頼し、制作しました。
スタッフの仕事がスムーズになればと思って導入したものが、実際にはほとんど使われていないことを知り、院長は残念です。
そんな中、今度は新しい予約システムの導入を考えています。
現在の予約システムは10年以上前に導入したもので、
・中断の分析ができない
・ユニットの稼働率がExcelで集計しないと分からない
といった問題があるため、変更したいと院長は考えています。
しかし、先ほどお話したユニットや患者さん用動画の件もあり、
「導入しても、あまり使われないのではないか、何か不満が出るのでは」
という不安で、院長は導入に踏み切れないでいます。
どうしたらスタッフはシステム導入に協力的になってくれるのか

新しい設備やシステムを導入するとき、スタッフが協力的になってくれないのは院長にとって頭が痛い問題ですよね。
「導入前にスタッフ全員に1から10まで見てもらった方がいいのか、それは難しいしな…」
と、悩むことでしょう。
解決策として思いつくものは
・他の医院での導入例を一緒に見に行く
などがありますが、これでは結果はあまり変わりません。
身に覚えのある方も多いかと思いますが、「院長がまた新しい話を聞いて、スタッフの話も聞かずに勝手に導入しようとしている」という、あの雰囲気が出てきてしまいます。
このような雰囲気になってしまうのには理由があります。
新しい予約システムを入れることでスタッフ達は
・導入時にスタッフや患者さんにかかる負荷はどれぐらいか? 普段どおりの診療をしながらでもスムーズに対応できるのか?
といった漠然とした不安が生じるのです。
このような漠然とした不安は、冷静に対応すれば特に問題なく進むことがほとんどです。
そのため、院長だけでなくスタッフも新しいシステムや器材の導入について「冷静に考えられる状態」を作れるようにしてあげましょう。
また、日頃の院長とスタッフの関係性も重要です。
とはいえ、深く考える必要はありません。「お互いの意見が出しあえる」程度で十分です。
スタッフがシステム導入に協力的になってくれる方法

新しいシステムや機材を導入するからには、スタッフにしっかりと活用してほしいですよね。
そのためには、
新しいシステムや器材を導入することで
・スタッフにはどんなメリットがあるのか?
を書き出すことです。
その上で医院が持つビジョンと照らし合わせて、「今、導入する意味」を考え、書き出します。
最初のこの手順が極めて大事です。この手順を踏まずして
「メーカーの説明」や「他医院での導入例見学」をしても、スタッフの心に響かず、ほとんど意味がないのです。
例えば、新しい予約システムを導入したい場合には
・予約の変更がスマホからできる
・待合室で待たなくてもOK、一度チェックインしたら隣のスーパーで買い物などができる
・家族分の診察券を持たなくて済む
・予約日の前日に確認案内が来る
【スタッフのメリット】
・予約変更などの業務が減る
・キャンセル電話の量が大きく減る
・将来的には会計業務も半分以下に
というように書き出します。
今回の立花歯科クリニックの場合は、このメリットに医院ビジョンに照らし合わせると、
✔ 生産性向上により給料アップ・連続休暇制度
へ繋がることがわかりました。
この点を、スタッフに共有します。
スタッフの賛同が得られてから、
・他医院での導入例を教えてもらうか?
・導入時はどれぐらい負荷がかかるかメーカーに確認するか?
・切り替えは多忙な時期は外した方がよいが、いつ頃がよいか?
といったことをスタッフに相談します。
ここまで決まってから導入すれば、スタッフはシステム導入に納得しているので、協力的になってくれます。
【導入までの手順まとめ】
1. 患者さんのメリット/スタッフのメリットを書き出す
2. 医院ビジョンと照らし合わせる
3. 1と2をスタッフに伝える
4. 導入するにあたって気になることをスタッフに相談する
5. 計画化し、実行する
大切なのは、スタッフがシステム導入について冷静に考えられる状態を作るために、ビジョンやメリットの話を整理して伝えることです。
今回お話した立花医院では、院長がこの手順に沿ってスタッフと話し合い、予約システムを導入しました。
今までの予約システムと勝手が違うため最初は少し手間取ることもありましたが、スタッフは納得しているので、積極的に活用してくれているとのことです。
新しい機材やシステムの導入に限らず、物事を動かすときには最初の手順が一番苦労します。
しかし、ここで手を抜かずに今回お話した手順をしっかりと踏むことで、導入までの流れがスムーズになります。そして、
「院長がまた新しい話を聞いて、勝手に導入しようとしている」
といった雰囲気もなくなります。
何より、スタッフが導入した機材やシステムを進んで活用してくれるようになります。
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お話したように、歯科医院が「新しい設備やシステム」「診療システム」などの新しいことを行う時、スタッフの協力は不可欠です。
その時に重要なのは、医院の事情や方向性をスタッフが共有してくれているかというものです。
これらがきちんと共有されていることで、院長とスタッフの関係性が強固なものとなります。
そして、医院の事情や方向性のなかでも特に重要なのが、医院ビジョンと経営数字の大枠の共有です。
この2つがしっかりできている医院は何をするにしても、スタッフの賛同が早く、実行すると問題が出てくるにしても必ず前に進んでいきます。
そこで、「医院ビジョンと経営数字の共有をどういう手順で行えばよいか?」「どのレベルで情報を共有すればよいか?」という疑問にお答えする教材をご紹介します。
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