そうなると「何が問題で、次に何を対策したらよいのかわからない」となってしまいることと思います。
そこで、キャンセル率改善の対策について「問題をどう整理し、どういう対策があるか?」について記しました。
Contents
ハガキ、電話などの対策をしているが、キャンセル率が改善しない
開業して5年がたつ歯科医院さんの話です。
開業以来、患者さんは順調に増えているが、キャンセル率はほとんど改善されていない。
1年間のキャンセル率は15%で、現在は13~14%程度で推移しています。
そして2年前からユメオカの4バランス経営を取り入れているが、そこではキャンセル率10%以下が基準値としてあげられており、そこに達成する見込みはなく、何が問題かもわからなくなっています。
そして、院内でも『キャンセル率改善』をテーマに話し合ってみました。
すると、
・キャンセルが多い人は前日に電話連絡する
・予約システムにショートメッセージ連絡機能があるため、それを試す
・リコールハガキを送る
・待合室に張り紙をはって、できるだけキャンセルしないように呼びかけ
といった案がスタッフからでてきてので早速、取り組んでみました。
しかし、取り組み始めてから3カ月経過した後も目立ってキャンセル率は改善されません。
このような歯科医院の場合、どのような対策が効果的なのでしょうか?

キャンセル率改善対策の要は治療計画書を作成すること
上記のような対策は基本、予約を”度忘れ”している人には有効ですが、そうでない理由の人にとっては有効でありません。
もちろん、予約の度忘れを減らすことは大切ですが、それらを行ってもほとんど効果がない場合、度忘れが主な原因ではないことが分かります。つまり、
「予約を忘れてはいないけど、用事が入ったらそちらを優先させてしまう」
「歯科医院はいつでも予約変更できる場所と思っている」
といった患者さんの意識がキャンセル率の高さにつながっていると考えれらます。
この場合、次の2つの視点で対策を考えます。
2)(患者さんに伝わる)キャンセル・ポリシーの作成
まず、1)の「治療計画を必ず行い途中、振り返る」です。
「治療計画の作成をする」これがキャンセル率低下につながる最も効果的な対策です。
できれば、次のような【治療計画書】となる紙を患者さんに渡せるとよいです。

というのは、誰でも先が見えないことを続けられるほど意思は強くありません。例えば、高速道路の渋滞です。
あれも渋滞情報で「この先4キロ渋滞が続くきます」と案内が出ているため、渋滞を抜けるのを待てるのだと思います。
しかし、想像してみてください。
渋滞情報の案内が全くなく、渋滞に巻き込まれてしまったとしたらどうでしょうか。
きっと、ストレスになり、できるだけ早い出口で高速道路を降りてしまう人が続出するはずです。
患者心理としては実はこれと同じです。
「先が見えないことを、いつまでも続けていられない」わけです。渋滞情報案内は、歯科医院で言えば【治療計画書】です。
患者さんにとって、治療の順番を把握し治療の全体像が分かることは、治療途中のストレスを大きく減らします。
また、治療計画に基づいて、現在どこを治療しているのか? も途中に示してあげることで安心してストレスなく治療を受けられることになります。
そのため、キャンセル率が高い医院でまず行うことは、【治療計画書】の作成です。
(※)【治療計画書】がない医院さんやどのように治療計画を立てればよいかわからない医院さんは、こちらの教材(治療計画カウンセリングパック)をご参考ください。
キャンセルポリシーは患者さんに伝わるように作成する
次に2)の「(患者さんに伝わる)キャンセル・ポリシーの作成」です。
キャンセル・ポリシーを作成して待合室に張り紙を掲示したり、初診カウンセリングでそれを伝えたりしている歯科医院さんは多いと思います。
例えば、次のようにです。
『当院では予約制をとっております。そのため、予約を当日キャンセルされますと、他の患者さんにご迷惑がかかってしまいます。予約はキャンセルがないようお願いいたします』
さて、このように伝えられた患者さんはどう思うでしょうか。
「まぁ、それはそうだろうけど、こちらにも用事ができたりするので、それはそれで仕方ない」というように感じて、あまり響かないと思います。
なぜなら、一方的なお願いにしか聞こえないためです。

そこでキャンセルポリシーは伝え方を工夫することです。“患者さんに伝わる“ようにです。
このような場合、【自分(医院)がして欲しい】ことを【相手(患者さん)のメリット】に、置き換えてまず考えてみることです。
例えば次のようにです。
・当日キャンセルや無断キャンセルはしないようにして欲しい ・そのため「予約日」は慎重に設定してほしい 【相手(患者さん)のメリット】 ・予約を先延ばししたくない ・できるだけ早く治療を終えたい
そして、これをつなぎあわせて、キャンセル・ポリシーの伝え方を決めます。例えば、
『当院は予約制をとっております。
予約をキャンセルされますと、次の予約が3週間先になってしまうことになったり、曜日によっては1カ月以上先になることもあります。
そうなると治療が終わる時期にも影響してしまいます。
そのため予約は、キャンセルが発生しにくい日をとっていただきますようお願い致します。
当院からのお願いばかりで心苦しいのですが、何卒よろしくお願い申し上げます』
という感じになります。
先ほどの例と比べると、患者さんの納得感は随分と違うのではないでしょうか。
それは誠意も伝わり、患者さん自身にメリットがあることが“伝わる“ためです。

また最後に「心苦しい」という表現をいれておくことで患者さんの感情面にも配慮していることがうかがいしれ、患者さんにも論理だけでなく伝わりやすくなります。
そして、伝え方1つで患者さんの行動は変わるものです。
このようにコミュニケーション力を駆使することで解決する問題は、患者さんに対してだけではありません。
スタッフに対しても発生し、歯科医院の現場ではよく起こります。
その場合、このように【自分がして欲しいこと】を【相手のメリット】に置き換えることをまず考えてみると、全く異なるコミュニケーションになります。
補足ですが、長い待ち時間が多く発生している歯科医院さんには、どんなにコミュニケーション力を駆使したところで、あまり意味がないためその場合、待ち時間対策を考えることからです。
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