患者さんと信頼関係を築くことが極めて重要だと思っている医院がほとんどでしょう。
一方で、患者さんとトラブルが生じた際に「信頼関係ができていなために起きた問題」と思われたことがある院長も非常に多くいらっしゃいます。
多くの医院が「信頼関係」が大切!と思っていながら、それができていなくてトラブルがよく起こるのはなぜでしょうか?
そこには見落としがちな単純な落とし穴があります。
今回は、医院が一貫して患者さんと信頼関係を築くための手順を記します。
Contents
歯科医院において、「患者さんと信頼関係を築く」とは何か?

歯科医院でミーティングや院長面談をしていると
「まず信頼が大事」
「信頼を得ることが最も大切」
「患者さんとの信頼関係づくり」
というように、『信頼』というキーワードがよくでてきます。
歯科医療という患者さんの体の一部である歯を修復する仕事は、『信頼』関係ができていないと本来はできません。
通常、信頼関係づくりには長い時間がかかりますが、歯科医師や歯科衛生士といったライセンスであらかじめ一定の信頼を得ています。
ただ、それだけでは本来の信頼関係を築けないことを歯科スタッフの方々はよく知っているため、皆さんは信頼関係づくりを重要視しているのでしょう。
私が某院長からお聞きした言葉に、「歯科医師が行っていることは、身体に傷をつけていること。歯科医師ライセンスがなければ傷害罪でつかまる仕事です」というものがあります。
この先生は、そういった意識をもって仕事をすることが大事であることを仰っていました。
歯科医院が信頼関係を定義化しスタッフと共有する例です

それではあなたにとって、もしくは貴院にとって『信頼』とは何ですか?
おそらく人それぞれでしょう、信頼の解釈は様々です。
ゆえに、院長からスタッフに例えば「患者さんとの信頼関係が最も大切、まず信頼関係を築いていきましょう」と言われても、うまく伝わらないものです。
そして、この抽象度の高い『信頼』というキーワードが持つ意味をもう少し具体化してスタッフに伝えないと、医院で一貫性ある患者さんとの信頼関係や、どのスタッフも同じ基準で信頼関係を築くといったことはできないのです。
つまり、スタッフからの「院長は患者さんとの信頼関係が大切で、信頼関係ができていないから今回のようなクレームにつながったとよく言っているけど、結局、私たちは何をすればいいの?」といった疑問に答えるために信頼関係の定義を明文化する必要があります。
例えば、某医院では信頼関係の定義をこのようにしています。
Ⅰ) 振り返りと予告を行う
Ⅱ)患者さんに不安を残させない言動や態度をとる
Ⅲ)しっかりと聞く(患者様の話を遮らずに最後まで聞く)
Ⅳ)治療計画の説明をしっかりと行う
(しっかりの定義は、「1時間のアポイント枠をとる」「口頭だけでなく画像を使用する」とする)
これなら、スタッフの「一体、私たちは何をすればいいの?」という疑問を解決できます。
このように、シンプルでありながら疑問に答える形で信頼関係を明文化することで、患者さんとの信頼関係づくりに一貫性を持って進めていくことができます。
ですが、このように定義化ができている医院は多くありません。
この医院では、ご紹介した4つの積み重ねによって、医院と患者さんとの信頼関係を築かれています。
そしてさらに、定期的にこの4つの信頼関係づくりについて、振り返りを行います。
特にトラブルやクレームが発生した時にこそ、この信頼関係の定義に立ち戻って「何をすればいいか?」を考えることで、対策が分かります。
信頼関係を定義化すると歯科医院が変化する事例

例えば、自費で長期(1年以上)に渡って治療が必要な患者さんは、いくら最初にしっかり説明しても「いつ頃終わるのか? あとどれくらいかかるのか? 本当に治療は問題なく進んでいるのか?」といった疑問が治療途中にわいてきます。
ゆえに、この不安がきっかけになって誤解が生じ、トラブルになることも少なくありません。
そんな時、信頼関係の定義に照らし合わせて「トラブル防止で何か医院側ができることがないか?」をスタッフ皆で話し合ってみるのです。
すると、色々な案ができてきます。
例えば「1年以上治療期間がかかる患者さんは3か月に1回、これまでの治療内容と今後の治療計画について患者さんから聞かれなくても医院側から行うようにする」といった案です。
これは、先ほどご紹介した4つの定義のうちの「Ⅰ) 振り返りと予告を行う」から出てきたものです。
その結果、患者さんもスタッフも治療が進めやすくなりますし、さらにスタッフの定着率向上にもつながってきます。
心地よく治療を進められる医院は、スタッフにとっても患者さんの役に立っていると頻繁に実感しやすいためです。
【信頼関係の定義】を明文化して紙に書いてスタッフと共有することで、医院として一貫性をもって患者さんとの信頼関係を構築することにつながるのです。
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