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歯科衛生士の退職や産休が重なってしまった歯科医院の話です

鹿児島県にある、さくらじま歯科(仮名)のお話です。
この医院では2年前にユニット2台を増設して、現在は8台のユニットで稼働しています(そのうち3台は治療、5台はリコール・メンテナンスで使用)。
リコール・メンテナンスの患者数は月350人と、少しずつ増えている状況です。
歯科衛生士は常勤が6人ですので、この体制であれば十分稼働できるという状況です。
そんな中、歯科衛生士の1人から「体調不良のため2ヶ月後には退職したい」という申し出がありました。
また、この相談から2週間後、別の歯科衛生士からも「妊娠したので少なくとも4ヶ月後には産休に入りたい」と相談されました。
院長がこれからどうしようかと悩む中、さらに別の歯科衛生士から「親の介護が必要になったので常勤からパートに変更したい」との申し出がありました。
つまりこの医院は4か月後、歯科衛生士は6人から4人体制へ変更(うち1人は常勤からパートへ変更)することになります。
こうなると、リコールのユニットは5台稼働していたのから3台動かすのが精一杯となります。
歯科衛生士の退職が重なったときに院長が抱える不安は2つあります

退職や産休で一度にスタッフが減るとなると、院長は新たな歯科衛生士の求人を募集します。
しかし全国的に歯科衛生士の応募が不足している現状、院長としては「4ヶ月という短い期間で応募、面接、採用というステップを経て入職までたどり着けるだろうか」と不安になります。
さらに「医院経営は大丈夫だろうか」という不安も膨らむ一方です。
この時、院長が抱える不安は大きく分けて2つあります。
・歯科衛生士が一度に減ってしまって、医院の収支は大丈夫だろうか
上記に加えて、求人に関する不安(最近は求人に対する応募が少ない、給与水準の上昇傾向が続いている、既存の社員も含めた給与体系の見直しも必要ではないか、など)もあるかと思います。
こういった時は、焦ってしまうことが1番よくありません。
当然ですが、4ヶ月後には歯科衛生士の人数が2.5人減少するため、医院は人数不足となる可能性が高まります。
しかしこの状況下で「誰でもいいから入ってきてほしい」と焦って採用することは望ましくありません。
採用のミスマッチにつながり、後でさらなるトラブルを引き起こす可能性があるためです。
では、何をすればいいのでしょうか。
まずはお金のブロックパズルで医院のキャッシュフロー収支を計算します
歯科衛生士の退職が重なった際に重要なのは、下図のようなお金のブロックパズルです。

このようなブロックパズルを用いて、キャッシュフロー収支(銀行への借り入れの返済後にお金が残らない、損益分岐点)を出しましょう。
必要な売上がわかれば院長の気持ちも安定しますし、落ち着いて求人を進めることができます。
院長の焦りを止めるためにも、キャッシュフロー収支を出すことが重要なのです。
それでは、キャッシュフロー収支の算出方法を、さくらじま歯科を例に説明します。
・粗利率…84%
・粗利…840万円
・固定費…650万円(そのうち、人件費は350万円)
・その他の固定費…300万円
※単純化するため、その他の固定費の中に減価償却が入っています。減価償却の中で返済ができると考えます。
①固定費を回収するための売上を算出する
まず、固定費の月650万円を回収するための売り上げを算出します。
計算方法は簡単で、粗利84%から逆算します。この場合は773万円となります。
月間売上は1,000万円ですから、約227万円となります。
②歯科衛生士のユニットが稼働しなくなった場合の売上減を算出する
次に、この状態で歯科衛生士さんのユニット2台が稼働しなくなった時、どれぐらい売上げが減るかを見てみます。
衛生士さんのリコール用のユニットが1台あたり、例えば120万円くらいの売上があるとします。
2台であれば売上は240万円ですから、仮にこれぐらい減ったとしても収支は0ぐらいになります。
今回は算出していませんが、人件費も変動します。
歯科衛生士さんが2人減り、さらに1人はパートになるためです。
歯科衛生士さんが2.5人減ったままであれば、固定費は算出したものよりもさらに減ります。
その場合キャッシュフロー収支0の地点損益分岐点は、売上がさらに少なくても済むことがわかります。
このようにキャッシュフロー収支を計算し把握することで、「返済してもお金が減らない、最悪でもここで耐えればなんとか復活できる、もとに戻せる、またはそれ以上になれる」と冷静に考えることができます。
患者さんの予約調整や新しい歯科衛生士さんの求人を行います

キャッシュフロー収支を把握した上で、患者さんの予約調整や新しい歯科衛生士さんの求人などを行います。
例えば、患者さんへのご迷惑を最小限に抑えるため、状況を説明した上で口腔内の健康状態が良好な方に対してリコールの間隔を延長することを検討します。
口腔内の現状を説明し、3ヶ月に1回リコールで予約されていた方を6ヶ月に1回の頻度に変更するなど、柔軟に調整します。
そして、求人を行います。
求人は焦りがあると「応募が来たら選り好みせず、すぐに取るしかない」という状況になってしまうため、冷静に進めます。
このように、歯科衛生士さんの退職が重なりピンチの際には、キャッシュフロー収支から論理的に考え焦りを減らすことが重要となります。
まとめ

歯科衛生士さんの退職が重なった際には、まずお金のブロックパズルでキャッシュロー収支を計算します。
損益分岐点を算出することで、院長の抱える医院経営についての不安や焦りを軽減することができます。
その上で冷静に予約の調整や求人を行うことが大切です。
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