この現象は特に3年以上ぶりに歯科医院に来られた患者さんによくありがちです。
しかし、歯科医院側はこの理由が分からず「たまにいる患者さん、仕方ない」で素通りしていることはないでしょうか。
実はこのような患者さんには明確な理由があります。
それにはまず、このような患者さんの心理、背景を知ることです、そうすれば自ずと改善策が見つかります。
ここでは患者心理を知り、信頼感を得て納得いただく説明についてお伝えします。
Contents
患者さんへの丁寧な説明が不信感に変わる時
ある患者さんが、歯科医院で言われました。
「○○さんは歯周病になっていますね。
口腔内の細菌が増殖し、歯垢になってそれが歯周病を引き起こしています。
歯周病はひどくなると歯が抜けてしまうので、今からしっかりとブラッシングをしていくことで回復できます。
ブラッシングで歯科医院に通ってくださいね。」
このように歯科医院側が説明した内容に、怪訝そうな顔をする患者さんがいます。
または少し怒ったような顔をされる方もいます。
歯科医院としては適切な説明をしています。
しかし、なぜか患者さんは納得するどころか不信感をあらわにされることがあります。
このような状況で原因が分からず悩まれたことはないでしょうか。
そこでこの患者さんの心理を考えてみます。
この患者さんは上記を聞いて「歯周病? 歯が抜けるって、自分はそんなひどい状態に近いのか?ブラッシングで通院って・・・、ところでお願いした歯の治療はどうなるんだろう?」と軽い混乱をおぼえています。
実はこの患者さん歯科医院には3年ぶり。
何となく避けていた歯科医院に、意を決して足を運んだのです。
この人にとっては“歯周病”“歯垢”“口腔内”“細菌”“ブラッシング”・・・とすべて聞き慣れない単語なのです。
一方、歯科医院の行った処置や説明は、無駄がなく適切なもの。
しかし、このような患者さんにとっては、親切で信頼できる医院だという印象にはなりにくいでしょう。
そうなった要因は、医院の「目線が高い」ことです。
よく「目線を下げる」と言いますが、これは「レベルを下げる」とか「小学生にも分かるように説明する」こととは異なります。

患者さんの心に響くコミュニケーション
「目線が高い」とは、相手の置かれている状況、気持ちを知ろうとしないということです。
ゆえに極論化すれば、相手の望みではなく自分の主張を展開していることになります。
それがどんなに相手のためだったとしてもです。
どれだけ分かりやすく説明し、難しいことを省いて説明してみても相手の心には入っていけません。つまりこちらの思いは伝わらないということです。
「目線を下げる」とは、まず相手の心の入口を見つけること。
例えばプレゼンテーションでは、相手に何かを伝えたければ、相手の要望に沿った入口を短時間で探して提供してあげることが伝える側の役割です。
先の医院では
「歯科医院に来られたのはどれぐらいぶりですか?
お口の中のことで、生活する上で何か困っていることはありますか?
歯周病ってどのようなものか聞かれたことありますか?」
などを聞くことによって、相手の置かれた状況をある程度推察することができます。
それを入口の手がかりとするのです。
これは「レベルを下げること」とは違います。
「レベルを下げる」とは内容(中身)や基準自体を下げることです。
しかし「目線を下げる」とは相手の心の入口をみつけてあげることです。
相手のことを思えば思うほど、「目線を下げる」ことを忘れがちになります。
そんな時「言ってもわからないんだ」と「レベルを下げる」のではなく、「目線を下げて」相手の入口をみつけてあげることが、本当の思いやりになると思うのです。
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