というのは、それを基準にしないと応募も来ないし、既存スタッフの給料にも影響を与えることになるためです。
どんどん上がっている求人時の給料を知って「これから当院はどのような給料体系にしていけばよいのか?」「このまま昇給し続けることもできないし・・」と不安に思われる方もいると思います。
そこで、これからの昇給についてのあり方や方法について、ご提案したいと思います。
このテーマがきっかけになって、議論が増え、歯科業界が魅力的(= 継続・成長・やりがい・収入アップ)になれば本望です。
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新卒も中途もどんどん上がる歯科スタッフの給料

ここ最近、求人時の歯科衛生士の給料は3年前と比べ大きく上がりました。
以前は例えば、総額22万円でも募集があった地域でも、そこから2万円上げても「募集が全く来ない」こともあります。
もちろん、歯科衛生士の応募動機は給料だけではありませんが、地域の相場より低いと、どれだけやりがいがある職場でも応募が急激に少なくなるのも事実です。
また、歯科衛生士だけでなく歯科助手や受付に至っても同じような状況になっています。
3年前は17万5千円で募集すると5人以上は応募があったのに、今は応募0ということもよくあります。
仕方なく地域相場の19万円で募集を出しても応募は1人か2人、ということは珍しくありません。
貴院でも同じような現象が起きているのではないでしょうか。
そして「このまま給料水準が上がり続けたら、当院にはスタッフが集まらなくなってしまう・・」と心配になる院長も多いことと思います。
一体、どこまで歯科スタッフの給料は上がり続けるのでしょうか?
結論から言えば、歯科スタッフの給料水準はまだ上がるはずです。
もちろん、この3年のように大きな上げ幅というわけではなく、緩く上がっていくことでしょう。
その理由は3つあります。
日本の生産人口(20-65歳)がこれから10年以上は減り続けるため、各業界で人材獲得が難しくなる状況は変わらないこと。
次に、歯科スタッフの給料が一般企業と比べて低い水準にあることです。
そして歯科衛生士に関しては、美容外科業界や医療業界からの求人も増え、全体的にまだ底上げされるでしょう。
このような展望を踏まえて、歯科医院はどのような対策をとればよいでしょうか。
予防型歯科医院をさらに推進し、院長がスタッフの活躍の場を広げていくことで解決していきます

歯科医院自体の成長が止まった時に、昇給だけし続けるわけにはいきません。
そうすれば当然、医院自体がもたなくなるからです。
そこで私のご提案は、昇給という形で給料を上げるのではなく手当を増やして給料を上げていくという形態をとることです(もちろん手当は、なくなれば減ることもあります)。
どういうことかといえば、予防型歯科医院にはこれから多くの需要が見込まれます。
その需要を掘り起こす役割をスタッフに与え、その分を手当として還元していくのです。
一言で言えば、スタッフ1人あたりの生産性向上につながる場を院長がつくり、それに応じて手当を与えることです。
なぜなら究極、スタッフの給料を上げていくには「生産性向上」しかないからです(生産性向上にはスケールメリットを利用する方法もありますが、どんどん分院展開していく院長は稀でしょうからここでは一旦、その視点は置いておきます)
予防型歯科医院づくりを推進して医院を成長させても、いずれ停滞する時が来ます。
なぜなら医院にはキャパシティ(例えばユニット数)があり、患者数はそこを超えられないためです。
そうなった時、スタッフの生産性向上は1人あたりの患者さんの満足度を上げ、患者さん1人が年間で医院に使ってくれるお金(一般医はLTV(ライフタイムバリュー))を増やすしかないからです。
例えば「年4回(3か月に1回)、メインテナンスに通ってくれていた患者さんが年に1回はデンタルエステを別途で受け、歯科医院で口腔内環境を改善するお水やデンタルグッズを定期的に購入する」ことで、患者さん1人当たりのLTV向上に当たります。
予防型歯科医院には生産性向上の要素が実に多くあります

このようにスタッフ1人1人が生産性向上に向かえば、多くの可能性があるのが予防型歯科医院なのです。
その可能性とは例えば、
・歯列矯正
・審美歯科(補綴関連)
・定期的な物販
・デンタルエステ
・ホワイトニング
・無呼吸症候群対策
などです。
口腔内の意識が高まっている来院者の方々の悩みを聞きながら、適切な提案を行えば、このような需要につながり、来院者にも喜んでいただけます。
もちろん、1人当たりのLTV向上に貢献します。
「そうは言っても、うちのスタッフではなかなかできそうにない」
と思われる院長もいるかもしれません。
しかし、どこの医院でも最初は同じなのです。
これらに取り組まないと、SPT2で医院の売上が多少増えたとしても、スタッフ1人当たりの生産性向上には結びつきません。
ゆえに、スタッフの給料を高くしていくこともできないわけです。
また、人口減少になっている日本において、国内だけで需要が伸びる業界というのはあまりありません。
しかし、予防型歯科医院は予防歯科人口が増えることとあわせて、その1人1人の来院者のLTVも増えることにつながる可能性がある恵まれた業界であることも、皆さんには客観的に知っていただきたいです。
このような取り組みを行う予防型歯科医院が増えれば、スタッフの給料をより上げられる可能性が高まり、結果として魅力ある業界になっていくと私は思っています。
スタッフの生産性向上につながる「はじめの一歩」

予防型歯科医院の来院者の需要を掘り起こすためには、スタッフにより活躍してもらう場を院長がつくる必要があります。
そのはじめの一歩は例えば
・デンタルエステなどの新メニュー
・リコール来院者に物販の提案
・院内ミニセミナー開催(例:40代からの自宅でできる口腔ケア)
<歯科助手>
・治療途中のカウンセリング回数増やし、悩みの確認
・院内ミニセミナー開催(例:小学生以下のお子さんをお持ちの母親セミナー)
・YouTubeなどの配信
<歯科医師>
・新たな診療メニューを増やす(歯列矯正・自費の歯周病治療)
といったことです。
これらを少しずつ行っている医院では、今でも明らかに来院者のLTVが増えています。
これが手当の原資にもなります。
毎年の昇給ではなく手当で増やす方法について

最後にこの原資をもとにどのようにスタッフに分配するかです。
手当と特別賞与という形が、医院にとってリスクが少ない分配法となります。
手当は例えば
・院内セミナー手当 1,000円/回
・カウンセリング手当 2,000円/月
などと行動レベルの役割に手当をつけ、結果は特別賞与として支給していきます。
この場合の結果とは「あくまで来院者1人のLTV向上に貢献したか?」なので、医院全体の売上向上分ではありません。
そのため、物販の増加額や自費の増加額を原資として、特別賞与を出してもよいでしょう。
また、労働産性(「粗利額 ÷スタッフ数」)の変化を毎月、記録しながら、年間で一定の基準を超えたら、その中から一部を特別賞与として還元する方法もありです。
最初は手当を少なめにし、安定的に結果(来院者のLTV向上)もついてきたら、手当の割合を増やして特別賞与は少なくしていっても良いでしょう。
いずれにしても、スタッフの給料を上げ続けることができるか否かは、1医院の魅力ではなく今後は業界の魅力に関わってくる問題です。
また、ここで私がご紹介した提案内容は1つの方法でしかありません。
ただ、繰り返しますがスタッフの給料アップはスタッフの生産性向上しかないのです。
2)生産性向上につながった場合、どうやってスタッフの給料を増やすか?
この2点において、今回の記事が院長方で議論されるきっかけになれば本望です。
やりがいだけでは業界として魅力あり続けることにはなり得ません。
本当の魅力とは「成長・継続・やりがい・収入アップ」があってこそ持続していくものであると私は考えています。
共に歯科界を魅力ある業界にするために・・!
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