売上1億円医院の開業歯科医師の年収はいくらか?

歯科医院において売上1億円以上の医院の割合は8%(13件に1件)程度と言われています。

医療のため売上増が主目的ではありませんが、お金がなければビジョン実現のために使うお金が得られません。

それは同時に患者さんに喜んで頂く医院づくりに向かい続けることもできなくなります。

そこで、ここでは売上1億円医院の歯科院長は年収がいくらぐらいなのか? 売上1億円あれば医院も院長個人も安心できるのか? についてモデルケースを出してお伝えします

Contents

基本統計調査の平均年収は意味がない

厚生労働省の基本統計調査で歯科医師の平均年収は734万円(平成26年)と発表されました。

しかし、これを基準に自分高いか低いか、平均より上か下かを判断しても実は全く意味がありません。

というのは勤務医と開業医では年収734万円といっても全く違います。勤務医の場合は比較的分かりやすく平均月収60万円程度がその年収です。

しかし開業医の場合、個人であれば売上から諸々の経費を差し引いた分、つまり確定申告する個人収入が734万円です。

そして、そこから開業時に借り入れた医院の返済があり実際にはもっと低い収入になります。

また、開業医でも医療法人になれば、院長収入と医院利益が明確に分かれており、院長収入を上げれば医院利益は減るし、その逆もしかりです。

例えば、「院長収入+医院利益」が3,000万円の場合、1,500万円ずつにするのか2,000万円+1,000万円でそれぞれを分けるのかで院長の年収はあっという間に500万円くらい変わってしまうためです。

このように平均年収という統計はあいまいなものにりがちです。

売上1億円医院の歯科院長の年収はいくらなのか?

平均年収の統計があいまいなのは分かったが、売上1億円医院の「院長収入+医院利益」は一体いくらぐらいになるのか? は知りたいところだと思います。

というのは開業する歯科医師にとって「売上1億円は成功ライン」とよく言われていますが、実際そうなのでしょうか? ユメオカのクライアントの多くは1億円を超えている院長ですが彼らの中で「自分が成功している」と思っている人は1人もいません。

その理由も1億円医院の修正が分かると理解できます。

前出のように医院利益をいくらにするかで院長収入は操作できますが、「院長収入+医院利益」は操作できません。そこでこの「院長収入+医院利益」は、売上1億円になるといくらになるのかを説明していきます。

売上1億円医院のモデルケース

医療法人で売上1億円医院の平均的なモデルケースを示します。

ユニット5台で、歯科医師2人(院長含む)、歯科衛生士5人(内パート2人)、歯科助手&受付4人という構成です。

売上1億円の医院収支

医院収支はこちらの「お金のブロックパズル(丹羽のビジネスパートナーの和仁達也氏が開発)」をご覧ください。

これは医院のお金の入と出をで表したものです。

医院売上1億円の内訳

この医院の売上1億円の内訳は自費が2,500万円です、つまり自費率25%です。

1ケ月200万円強は自費になる医院のため、インプラントや歯周外科などの単価の高い自費が一定額ある医院といえます。

そしてリコール率(リコール数÷全患者数)は30%です、つまり来院者の3人に1人程度は、予防歯科に通う来院者です。

粗利と固定費

粗利が8,500万円で粗利率が85%と一般の歯科医院より高めです(材料や技工代の割合が低い)。

この理由は売上が高い、自費が高いというわけではなくリコール率が高いため、相対的に材料や技工料が低くなっているためです。

次に固定費が8,000万円あります。院長収入が2,000万円、スタッフ給与&賞与が合計3,000万円で人件費合計が5,000万円です。

また人件費以外のその他の固定費(設備、家賃、旅費、水道、広告、研修費など)が3,000万円です。

医院利益は院長収入による

そして、のように医院利益(粗利8,500万円―固定費8,000万円)は500万円になります。そして「院長収入+医院利益」は図の赤文字の2つを足して2,500万円(2,000万円+500万円)です。

そのため院長収入を1,500万円、医院利益を1,000万円に分けてもいいのですが、ここでは前者のようにしています。

一般に医院利益は返済金額から逆算して、決めることが多いです。

そのため開業間もないころは医院利益の割合が高く、返済が少なくなってくるとその割合が低くなるという具合にです。

つまり売上1億円医院の院長年収は2,000万円です。

それでも医院利益は500万円は残っているため、年収2,000万円が高すぎるというわけではありません。

もちろん、開業資金が多く必要になり、返済がとても多い場合、院長年収2,000万円は高すぎると判断できます。

このように売上1億円は医院にとっても院長個人にとっても決して安心できるレベルではありません。

そして、売上1億円は[成功ライン]ではなく[スタートライン]と言えるでしょう。

1アクション
貴院の医院収支をお金のブロックパズルに当てはめてみる

この記事を動画(約2分)で解説しています

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ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。 ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。 2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。 そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。 また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。 座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。