売上2億円医院の開業歯科医師の年収はいくらか?

歯科医院の平均売上が4,000万円程の中で、売上1億円以上の歯科医院の割合は8%(13件に1件)程度と言われています。

そして、売上2億円の歯科医院は平均医院の5倍もの売上を1医院で売り上げていることになります。

もちろん、医療ですから売上が高いことが全てではありません。しかし、売上が高くコスト割合が低いと利益率が高まります。

その利益は医院の設備や新たな診療メニュー、スタッフ研修などに反映でき、患者さんへの還元ができます。そして、その一部を院長収入増とすることも可能です。

このような余裕ある状態こそ、充実した医療を提供できるのです。そこで2億円医院の院長年収についてお伝えします。

Contents

2億円医院は1億円医院と全てが2倍ではない

「売上1億円を超えたら医院も院長個人も安心できるだろうか」

「1億円歯科医院ではどれぐらいの利益がでるのだろうか」

「今は院長である自分1人の限界ぐらいまできているが、勤務医を雇って1億円を超えれば利益は増えるのだろうか」

このような疑問に答えるため、トピック「売上1億円医院の院長の年収はいくらか?では1億円医院の院長年収について記しました。

そこでは院長年収2,000万円で医院利益が500万円になる収支を説明しました。

そして、開業10年以内は返済額も大きく、売上1億円で医院も院長個人も安心できることはなく、これからの開業医にとって1億円は[成功ライン]でなく[スタートライン]であることもお伝えしました。

それでは売上2億円医院の院長年収は4,000万円で医院利益は1,000万円と2倍ずつになるのか?

実はそうではありません。

「これより多くなるのか? 少なくなるのか?」 どちらでしょうか。

答えは院長年収も利益も多くなります。

理由は少し考えていただくと分かりますが、売上が2倍になるからといって必ずしもユニットもスタッフ数も2倍必要かと言えばそんなことはないためです。

つまり、売上が2倍になっても支出は2倍にならないのです。

 

売上2億円医院の院長の年収はいくらなのか?

売上1億円医院のトピックでもお話ししましたようにまず、操作できない「院長収入+医院利益」は一体いくらぐらいになるのか? について説明します。

繰り返しますが医院利益をいくらにするかで院長収入は変わります。しかし「院長収入+医院利益」は変わりません。

そこでこの「院長収入+医院利益」の合計が売上2億円になるといくらになるのか? からまず説明します。

売上2億円医院のモデルケース

医療法人で売上2億円医院の平均的なモデルケースを示します。

ユニット6台で、歯科医師3人(院長含む)、歯科衛生士7人(内パート2人)、歯科助手&受付6人という構成です。

売上2億円の医院収支

医院収支はこちらの「お金のブロックパズル(丹羽のビジネスパートナーの和仁達也氏が開発)」をご覧ください。

これは医院のお金の入と出をで表したものです。

医院売上2億円の内訳

売上2億円の内訳は自費が7,000万円です、つまり自費率35%です。

1ケ月600万円強は自費の医院なので、インプラントや歯周外科などの単価の高い自費が一定額ある医院です。

そしてリコール率(リコール数÷全患者数)は30%です、つまり来院者の3人に1人は、予防歯科に通う来院者です。

粗利と固定費

粗利が17,000万円で粗利率が85%と一般の歯科医院(通常は80%前後)より高めです(材料や技工代の割合が低い)。

この理由は売上が高い、自費が高いというわけではありません。それはリコール率が高いため、相対的に材料や技工料が低くなっています。

次に固定費が合計で15,000万円あります。

院長収入が5,000万円、スタッフ給与&賞与の合計が5、500万円のため、人件費合計が10,500万円です。

また人件費以外のその他の固定費(設備、家賃、旅費、水道、広告、研修費など)は4,500万円です。

医院利益は院長収入による

そして医院利益が粗利17,000万円―固定費15,000万円で2,000万円になります。

そのため「院長収入+医院利益」は図の赤文字の2つを足して7,000万円(5,000万円+2,000万円)です。

そこで院長収入を3,500万円、医院利益を3,500万円に分けてもいいのですが、こちらの医院では院長収入5,000万円で医院利益を2,000万円(売上の10%)としています。

一般に医院利益は返済金額から逆算して、決めることが多いです。そのため開業間もないころは医院利益の割合が高く、返済が少なくなってくるとその割合が低くなるという具合にです。

つまり、2億円医院の院長年収は5,000万円です。

それでも医院利益に2,000万円残っていますので、返済額が年間2,000万円以上ない限り院長年収が5,000万円でも経営バランス的には多すぎることはありません。

また院長は医院規模が大きくなればリスクも高まるため、院長年収をしっかり確保しておく必要がある点からも5000万円の年収は多すぎることはないのです。

またこれぐらいになるとスタッフにも給料や賞与、長期休暇などで余裕をもって還元ができるようになります。

そのためこれからの開業医は1億円達成をスタートラインと考え2億円を目指し、スタッフに還元し余裕をもあった投資ができる医院が増えれば、歯科界はより魅力ある業界になっていくと思います。

1アクション
貴院の医院収支をお金のブロックパズルに当てはめてみる

この内容を動画(約2分)で解説しています。

 

関連記事

売上1億円医院の歯科開業医の年収はいくらか?


予防管理型歯科医院を加速するダウンロード教材

ユメオカでは「育成カリキュラム作成」「スタッフ20人以下の昇給制度」「ミスマッチを防ぐ面接マニュアル」「キャンセルの空き時間活用」など、歯科医院のマネジメントに関する教材を、1本7,700円(動画形式・資料含む)にてご提供しています。

詳細につきましてはこちらよりご確認ください。


歯科の承継事例や相談窓口に ユメオカLINE公式アカウントご案内

「歯科医療は好きだが経営のことを考えると、歯科が好きではなくなってしまった」

これはコロナ禍以降、年間売上が約1億円の歯科医院の院長たちが共通して抱える悩みです。

ユメオカの承継相談でも、売上1~2億円規模の予防型歯科医院の院長からの相談が増加しています。

そこでユメオカはLINE公式アカウントにて、承継に関わる

譲渡・相談・準備の具体的な事例をお伝えしています。

LINEから相談もできますので、多数の情報を得られるユメオカLINE公式アカウントをご活用ください。

LINE公式アカウントは歯科医院の院長であれば、無料でご利用いただけます。

(※)コンサルタントや士業の方は登録できません。

ご希望の方は以下のQRコードより、ご登録ください。

承継セミナーのご案内【無料】

ユメオカでは3種類の承継に関するZoomセミナーを定期的に実施しています。

実際の豊富な承継事例をもとに、歯科院長に役立つ内容となっております。

お忙しい院長にもご参加いただけるように、セミナーは質疑応答を含む60分間で簡潔にまとめています。

参加費は無料で、こちらからお申し込みいただけます。

お問い合わせ

お問い合わせはこちらから受け付けております。

お気軽にご相談ください。

ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。 ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。 2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。 そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。 また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。 座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。