これは対岸の火事ではありません、いずれ歯科医院経営にも大きく影響しはじめるでしょう。
そこで、これからやってくる給料の大幅アップ時代、歯科医院経営において重要な着眼点である生産性アップと、歯科医院ができる対策についてまとめました。
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ユニクロの初任給が大幅にアップ!キーワードは「生産性アップ」

2020年4月入社のユニクロ新卒社員650人のうち、数百人が該当するグローバルリーダー社員の初任給はこれまでと比べて4.5万円も上がりました。
グローバルリーダー社員とは【国内外の転勤がある社員】とのことで、何も専門性がある特別な存在の社員ではありません。
それなのに、初任給は21万円から25.5万円に、20%もあがりました。
さらにユニクロでは、グローバルリーダー社員以外の方の初任給引き上げも現在、検討しているようです。
初任給が上がるということは当然、既存社員の年収も大幅にアップしていることでしょう。
なぜ、ユニクロではそんなことができるのでしょうか?
もちろん店舗だけでなく企業全体としての売上や利益が増加していることが挙げられますが、もっといえば生産性が上がらなければ、給料はあげられません。
生産性とは「1人当たりの粗利額」です。
例えば、ユニクロの店舗は3~5年ぐらい前と今では何が大きく変わっているでしょうか。
私の自宅の近くのユニクロでは以前は、レジには4~5人のスタッフが必ずいました。しかし、今では1~2人ほどに減っています。
その変化の1つに、レジが対面式のものから、無人レジ(商品を置いただけでタグが反応し、価格が表示されるセルフレジ)に変わったことがあげられます。
その結果、1店舗当たりのスタッフ数は減っているはずです。
1店舗当たりの売上や粗利は維持されているか増えていて、スタッフ数が減るとなると、自ずと生産性は上がっていることになります。
過剰となったスタッフは、中国などの海外や、ネット販売に配置転換されたのでしょう。
ユニクロの給料アップは歯科医院経営にも影響を及ぼします

ユニクロのように、生産性が上がれば、スタッフの給料は上げられます。それも微増ではなく、初任給2割など大幅アップが可能です。
これはユニクロだけの話ではありません。各業界の先進的な会社では初任給アップ・給料アップを先んじて取り組んでいます。
例えば2021年4月の初任給では、
しています。生産性アップに取り組んだ会社では、大幅な給料アップを続々と進めています。
この背景には以前「歯科衛生士40万円、歯科助手30万円の給料! こんな時代を想定した経営をする」の記事でもお伝えしましたように
☑アジア諸国も賃金上昇へ(例えば韓国はあと2,3年で東京都の最低賃金を抜く勢いで最低5%以上アップ)
☑OECD諸国において20年前と比べて実質賃金下がっているのは日本だけ(下図を参照)

引用:2021年7月14日の日本経済新聞
といった理由があります。
このままいくと、日本の優秀な人材は今以上に海外へと流出してしまうことでしょう。
こういった懸念をなくすためにも、日本では国策としてデジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)やM&Aによる統合を促進し、日本企業全体の生産性アップや賃金アップに取り組んでいます。
この流れは企業だけに留まらず、いずれは医療機関、もっといえば歯科医院にも影響してくるでしょう。
なぜなら、他業界の給料がどんどん上がっているのに、歯科医院の給料は微増に留まるようであれば、
☑給料面を考えて、歯科衛生士や歯科医師になりたい人が減少し続ける
というように、優秀な人材の確保が難しくなってしまいます。
これからの給料アップ時代に歯科医院ができる対策

今後は歯科医院も給料アップのために生産性を上げていかないと、明るい未来は手に入らないでしょう。
歯科院長の中には、すでに動き出している方もいらっしゃいます。
冒頭でもお伝えしたように、歯科業界の生産性アップの切り札になるのは、他の業界と同じくDX(デジタル・トランスフォーメーション)です。
「DXは歯科医院には適応しない」などと言っている場合ではありません。
歯科医院の中に入っていると分かりづらいですが、無駄な作業や時間は多くあります。
例えば、DXによって受付の会計や予約業務の時間は80%程度も削減できます。
さらに、DXを導入することで
・自費額もスタッフを増やさなくても+20~100%
・ケアグッズも+50~200%
は上げられると私は考えています。既に取り組んでいる医院もユメオカ・クライアントの中には増えています。
DXを取り入れることで無駄な時間を削り、できた時間を治療や販促に充てることで生産性は上がります。
スタッフの給料を2倍にしても、医院利益も2倍になる試算もできています。
これからの歯科医院経営は、ユニットや歯科衛生士の数を増やして収益を上げるのではなく、生産性を上げることで収益をあげる方向に変えていく必要があるのです。
なぜなら、
ことになってしまうからです。
歯科業界が魅力ある業界に発展していくためにも、大幅な給料アップが必要だと強く感じています。
関連教材(歯科医院のデジタル・トランスフォーメーション)

(※)2021年9月11日(土)までが教材発売の特別価格にてご提供期間です。
この記事を読まれた院長の中には、「今後は「給料アップ&働き方改革」をしていかないと、ビジョン実現は難しくなる、でも、何から始めたらいいのかわからない」と感じられている方もいらっしゃることと思います。
ユメオカではそのような不安を払拭できるよう、2021年9月に新たな教材を発売しました。
教材の中では、3年でスタッフ年収倍増計画を掲げて取り組まれている【いちろう歯科(名古屋市)】を事例としてご紹介しています。
実際に給料アップに向けて動いている医院を見ることで、自院が何から取り組むべきかのヒントとなるでしょう。
他にも、
「これからの日本の給料はどうなるのか?」といったマクロの話から、「DXによって診療システムや医院の既存業務がどう変わり、新たな付加価値につなげられるのか?」といった内容を、いちろう歯科の事例とともにお伝えしています。
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