スタッフに経営数字を公開! 時間の有効活用やコスト意識につなげます

「当院もそろそろスタッフと医院の経営数字を共有していかないと、意見が上手くかみあわなくなってきた」という院長も多いのではないでしょうか。

かといって医療なのに「売上目標●円!新患数●人!」と掲げるのには違和感を覚える院長も多くいらっしゃると思います。

そして、その感覚はまともだと私は思います。

やっていることが患者さんに堂々と言えないことは、しない方が良いからです。

このような院長は経営数字を共有化する目的に立ち戻って手順を考えることで「スタッフと意見上手くかみ合うようにしたい」「もっと自律的にスタッフに動いてほしい」という想いを実現させることができます。

そして今回は、このような院長向けにスタッフと経営数字を共有化する方法について記しました。

Contents

幹部スタッフを育成するため医院の経営数字をそろそろ共有したい

「開業して5年以上が過ぎスタッフ数も10人を超え、チーフやサブチーフという役割のスタッフも登用した。そろそろ幹部になったスタッフにも医院の経営数字を公開したほうがよいと思っている」

このように考えている某院長から、相談がありました。

「とはいっても、スタッフにいきなり医院の決算書を見せてもよく分からないと思うし、売上ばかり気にしたり、スタッフルームに目標売上●●円、患者数●●人という張り紙を貼るのは、ちょっと違うと思うんです。どういう数字を見せていったらいいものでしょうか」

そして、院長と私の会話は次のように続きました。

:そもそも医院の経営数字を共有する目的は何ですか?

院長:まず「時間を有効活用してもらいたいこと」です。あと「コスト意識を持ってもらいたいこと」ですね。

:なるほど、この2つについてもう少し詳しく教えていただけますか。

院長:「時間の有効活用」については、例えばキャンセルが出た時、今は大半のスタッフが滅菌室にいってひたすら掃除をしているんですが、その時間にしてほしいのは掃除じゃないんですよね。例えば「アポ状況を確認して、午後からの診療がスムーズに流れるようにする」「午後にキャンセル枠があるので、予約を前倒ししたい患者さんに連絡する」というように。それを院長である僕がいちいち言うのも嫌なので、自分達で考えて時間の有効活用をして欲しいんです。

:わかりました。「今、自分がすることは何か?」を考えて行動することですね。「コスト意識」についてはいかがですか?

院長:例えば、ボンディング材の使い過ぎや印象のとりなおしを繰り返すことは、細かいこと言えばコストがどんどん増えているわけじゃないですか。それを自ら気を付けて欲しいというか。あとは、材料の発注も業者さんに依頼するのか、それともインターネットで注文するのか?状況によってうまく使い分ければ、コストも1か月にしたら10万円単位で変わってくると思うんです。そういうことですね。

:ありがとうございます。2つの目的、よくわかりました。私からの提案は2つあります。

「時間の有効活用」と「コスト意識」をスタッフに持たせるための提案です

今回、私から提案したことは次の2つです。それは、

1)医院の収支構造から利益の必要性を共有

2)ユメオカの【4バランス経営】の導入

です。

1つずつ説明していきます。

まず1)の目的は、「医院にとって利益がなぜ必要になるか?」を知らないと、スタッフからすれば数字をオープンにされても、頑張る意欲につながりにくい(継続しにくい)のです。

医院の利益とは、例えば「医院の設備投資はもちろん、スタッフが働きやすい環境づくり(休暇制度、余剰人員、スタッフルーム改善など)、災害などにあった時の維持費」に使われるものです。

その適正値がどれぐらいかをスタッフが知っておくことで、数字共有の意味が深まります。

そして、この数字の共有は自医院の収支の数字を使わなくても「一般的な歯科医院の収支構造」などを使って説明しても大丈夫です。

目的は利益が必要な意味を知るためだからです。

次に2)ですが、本来なら税理士さんが毎月作ってくれる試算表をベースにした収支を公開していくのが望ましいのです。

ただ、それだと経費が多くかかる月(研修の一括払い、賞与月など)は利益が出にくい(赤字も)ため、毎月、毎月の数字を確認してその度に対策を考えてもあまり意味がありません。

ここで大切なのは、医院の数字を見て来月以降の改善の方向性を共有することです。

ユメオカでは、予防型歯科医院のための4バランス経営】というノウハウを開発しています。

これは簡単に言えば4つの指標(新患率、キャンセル率、リコール率、自費率)の基準値を設け、これらのバランスをよくしながら売上を伸ばしていけば、利益も一定以上確保されるというものです。

売上ばかり追って、仮に売上が伸びたとしても、利益がどんどん少なくなる医院も少なくありませんよね。

そうならないようにするためのツールです。

また4つの指標の基準値があると、自医院にとって「良好な指標」「改善が必要な指標」がスグに分かり、改善の方向性を見出しやすくなります。

これを毎月、スタッフと共有しながら改善策を考えていきましょう。

この2つによって、院長の目的である「時間の有効活用」と「コスト意識」がスタッフの中に徐々に生まれ、習慣化されるようになってきます。

1)により利益の必要性を学び、利益が出にくくなっている当院の要素を話し合えば、自然と「材料の使い過ぎ、技工の再製、在庫管理」というテーマがスタッフから出てきます。

そして2)の4バランスで改善の方向性が分かれば、何を優先に時間を使えばよいかが分かってきます。

このようにスタッフの意識が変わり、行動が変わることで、スタッフが望む「時短化、休暇制度」にもつながることが理解できていると、踏ん張りもきくものなのです。

経営数字の共有にはしっかりとした手順が必要です

上記ではスタッフと経営数字を共有することについて、「収支構造から利益の必要性を共有」「ユメオカの【4バランス経営】の導入」の2つの視点からお伝えしてきました。

次に重要なのが手順です。

この手順をしっかりと踏まないと、いくら医院の収支構造の共有や【4バランス経営】の導入を行っても、中途半端に終わってしまいます。

なぜなら、「なんでこんなことしているのか?」と途中で院長にもスタッフにも迷いが生じるためです。

手順の概要は、

1)ビジョンの共有(改めて医院の1,3,5年後のビジョン)

2)利益の必要性について

3)利益確保のためにできることの話し合い

⇒でてきた内容をアクションプランに

4)4バランス経営の意味

5)4バランス表の見方

6)4バランス経営の導入

⇒上がってきた意見をアクションプランに追加

7)4バランス表とアクションプランで毎月ミーティング

です。

このようにしっかり運用し、習慣化していくために手順をしっかり踏むことが大切です。

また、「このような手順を院長がリードして行うのは難しい」「数字の話を院長がすると上手く伝わらない」という不安をお持ちの方は、コンサルタントや税理士に相談してみると良いでしょう。

同じことを話すにしても、スタッフにとって院長から聞くのと第三者から聞くのとでは、頭への入り方が異なるのも事実です(院長とスタッフという雇用関係があると、どうしても話が通じにくいのです)。

相談する人がいない院長は、ユメオカから2つのご提案があります。

ユメオカ提携コンサルタント達もプロフェッショナルとしてこのような手順で数字の共有化ができます(無料相談はこちらからです)。

また、コンサルタントを活用する前に「もう少し自分(院長)自身が学んでからにしたい」という方はユメオカ「予防型経営★実践アカデミー」という会員制のサービスをご活用いただければと思います。

1アクション
数字のオープン化に伴う手順を整理し、信頼できる人に相談してみる

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ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。 ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。 2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。 そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。 また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。 座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。