予約の偏らない医院に! 院長とスタッフが取り組むべき2つのステップ

予約の入り方に偏りがある歯科医院は多いです。

例えば「朝と夕方は忙しいけど、午後の時間は空きが多い」「院長の枠は一杯だけど、それ以外の枠は空いている」といったようなものです。

今回は、このような悩みを持ちながら「具体的な解消方法がわからない」という院長に向けて、簡単にできる対策を「現状把握と改善案」「実践と患者数の分布表作成」という2つのステップでご紹介しています。

予約の偏りをなくすことで、結果的に1日あたりの平均患者数も増えますよ。

難しい方法ではないので、ぜひスタッフと共有して、取り組んでみましょう。

Contents

院長の枠はいっぱいでも、他の枠がなかなか埋まらず悩んでいる医院の話です

奈良県で開業する手島歯科医院(仮名)の事例です。

手島歯科医院はユニット数が4台で、歯科医師は院長1人、常勤歯科衛生士が3人からなる医院です。

 

新患率(こちらの4バランス経営の記事にて解説しています)は平均して毎月6%程度で推移していて、高い状態です。

リコール数もこの1年で少しずつ増えていて、1月あたり130~160人程度です。

 

しかし予約表を確認すると、院長の予約枠は朝から夜まで詰まっているのに、残り3枠の予約枠がまばらな状態です。

結果、1日の患者数は20~25人といった状況です。

 

自分に集中している予約の偏りを改善して、患者数を1日30人に伸ばしたいと院長は考えています。

そこで院長はスタッフ全員と協力して、予約の偏りの改善に取り組むことにしました。

予約の偏りを改善する方法

ここからは、予約の偏りを改善する方法を2つのステップでご紹介します。

難しいものではないので、ぜひ実践してみてください。

【ステップ1】院長とスタッフ全員で、現状把握と改善案を出す

まずは予約管理システムを画面に映し出して、現在の予約の傾向をスタッフに挙げてもらいます。

手島歯科医院では、以下のような意見が出ました。

・DR枠は埋まっているが、DH枠が埋まらない

・平日の午前中は埋まっている

・オペがある時は、他のチェアが埋まっていない

・土曜日と18時以降が埋まっている

・DH枠は全て60分枠でなくてもよいと思う

この医院では、1日30人以上の予約を入れる目標を以前からスタッフにも共有しています。

院長は、このタイミングに改めて、「予約の偏りをなくしたい理由」「なぜ患者数の目標を1日30人以上にしているのか」を医院ビジョンから振り返りました。

 

理由としては、

✔2年後に医院の時短を進める

✔受付業務はテレワークでも対応できるようにする

✔生産性向上をして3年後にスタッフの給料を150%にする

✔スタッフがライフスタイルに応じて安心して働ける仕組みをつくる

というものです。

 

そもそも患者数を130人以上にする理由は何か?という理由が事前に伝わっていないと、スタッフ達が自ら考えて動くことにつながらないためです。

 

手島歯科医院では、このような振り返りを定期的に行いました。

そして次に、現状の予約枠に対して、どんな対策が必要か?と、具体的な意見をスタッフ間で出し合ってもらいました。

 

すると、

1)受付予約時のトーク(「◯日はいかがですか?」など、枠に余裕のある日を提示する)

2)電話での予約変更時のトーク

3)DH枠の設定基準をきめる(60分枠でなくても良い患者さん)

といった対策案が出てきました。

そして、これらの案に対して、誰が担当するか? を具体的に決めて実施しました。

【ステップ2】実践と患者数の分布表を作成する

手島歯科医院はさっそく、ステップ1で決めた対策を実施しました。

そして、月あたりの患者数の分布を以下のような表にまとめ、毎月どのように推移しているかも、スタッフ全員で共有できるようにしました。

このように表にして、毎月スタッフと共有することで、患者数に小さな変化が生まれます。

 

まず、20人以下の日など、患者数が少ない日の割合が減ってきます

手島歯科医院では予約受付時になるべく予約に空きのある日を提示し、予約の偏りが少しずつ改善されました。

 

このように者数が少ない日が減ることで、結果的に1日あたりの平均患者数があがってきます

1日の患者数30人を達成できる日が12日あるよりも、患者数が少ない日を5日減らす方が結果として平均患者数はあがってくるからです。

 

しかし、このような変化に気付けるのは、患者数の分布の表を作成した医院のみです。

ぜひ、この表をもとに毎月

「実施した対策と結果を振り返り、再計画をたてて実施する」

というサイクルを回すようにしましょう。

 

このサイクルの中で着実に成果が生まれ、予約が分散し、1日あたりの平均患者数は徐々上昇していくでしょう。

【まとめ】分布表を作成して対策を行うことで、予約の偏りが減ります

予約の偏りを改善する方法のまとめです。

ステップ1

・現状の予約の傾向をスタッフに挙げてもらう

・予約の偏りをなくしたい理由を医院ビジョンから振り返る

現状の予約枠に対して、どんな対策が必要か?をスタッフに挙げてもらう

 

ステップ2

・ステップ1で挙げた対策を実行する

・月あたりの患者数の分布を表にして毎月スタッフと共有する

・毎月、実施した対策と結果を振り返って再計画をたてて実施する

日々、院長が感じているストレスの中でも「自分の枠は毎日、埋まっているのに他の枠が埋まらない」という悩みは大きいかと思います。

今回ご紹介した方法は難しいものではありません。

毎月の対策と結果を振り返ることで、少しずつ悩みを解消できることと思います。

 

1アクション
患者数の分布表を作成してスタッフと共有する

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今回の記事のように、予約枠の偏りを改善できると稼働率が上がります。

それが結果的に、生産性向上へと結び付きます。

そして生産性向上にもう1つ重要なのが、空き時間に何を行うか?をスタッフと共有することです。

予約の当日キャンセルにより、どうしても一定数の空き時間が生まれることは避けられません。

この、空いた時間をどう活用するか?という認識が、院長とスタッフで一致していないと院長のストレスになります。

空き時間のたびに指示するのも、院長の時間の無駄になります。

そこで提案したいのが

職種別に空き時間を活かす優先業務リスト

を医院で作成して共有しておくことです。

これをスタッフ全員が毎日、見られるところに貼っておきます。

ユメオカでは、この優先業務リストの作り方を教材として販売しています。

優先業務は医院によって違いますが、教材でお話している作成に対する考え方と方法、サンプルをもとに行えば短時間で作成できます。

下記の7本の教材の中の

□『空き時間の有効活用でより働きやすい医院へ』

というものです。

□『後継者問題を解決する40代からはじめる価値ある医院づくり』

□『育成カリキュラム作成・活用法  ~ 歯科医師、歯科衛生士版 ~』

□『20人以下の医院のためのスタッフ昇給、賞与、院長報酬』

□『空き時間の有効活用でより働きやすい医院へ』

□『医院一丸になり患者さんに集中できる一人必要売上の共有』

□『日常では気づきにくい予防型歯科医院で働くやりがい』

□『給与明細の見方★院内勉強会』

この他にも、ユメオカでは会員向けコンテンツである【予防型経営★実践アカデミー】の中から、7本を教材として単品(@税込6,600円)で提供しています。

1テーマごとに毎月30~40分ほどの映像コンテンツと、医院で編集して使えるツール類がセットとなっています。

 

▼1本税込6,600円で提供している7教材はこちらからご覧いただけます。

 

また、1人でこのようにスタッフ主導で動く医院をつくるのは難しいと考えている院長や、「スタッフを巻き込む環境を作りたい」「そのために支援が欲しいといった方に向けて、ユメオカの予防型経営ビジョナリー・コンサルティングではコーチングやサポートを行っております。

只今、無料相談を行っていますので、ご希望の方は下記の内容をしっかりご確認の上、お申込みください。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

丹羽 浩之

株式会社ユメオカ代表 丹羽浩之。 ユメオカとは「夢とお金の作戦会議」の略。 2004年に独立後、現在までに教材は30種類以上を開発し、全国3,000医院以上がユメオカ・ノウハウを活用し予防型経営に取り組んでいる。 そして全国8名の提携コンサルタントによるコンサルティング、【会員制】予防型経営★実践アカデミー、【会員制】歯科『採用★定着』実践ラボを主催している。 また予防歯科、予防医療の普及に最も精力を注いでいる。 座右の銘は「得意淡然、失意泰然」。